4月8日(土)スタートの土ドラ『グランマの憂鬱』。主人公・百目鬼(どうめき)ミキを演じるのは女優の萬田久子
「見ていただくことで心のコリをほごす、全身エステのようなドラマをめざしたい」と語る彼女のクランクインに密着した。

【写真】土ドラ『グランマの憂鬱』場面カット【11点】

土ドラ『グランマの憂鬱』は、日常にあるさまざまな問題を、主人公である「グランマ」が愛ある「喝!」で解決へと導く、痛快でほっこりする人情ドラマだ。

グランマの活躍と初回放送が楽しみであるが、このドラマは毎話を彩るゲストも必見。第1話に西垣匠、第2話に泉谷しげる、第3話には柴田理恵が登場する。彼らが百目鬼村で何かを巻き起こすか、どんな役どころで登場するか注目だ。

▼クランクインレポート
2月某日に撮影が始まった『グランマの憂鬱』。
コンビニもない山間の静かな村が舞台のはずだが、この日の撮影は何故か真新しい一軒家が建ち並ぶ、関東近郊の新興住宅地。実は第1話の、百目鬼由真(足立梨花)が一旦横浜の自宅に戻ることとなりミキ(萬田久子)と亜子(加藤柚凪)も付いてくる…、というシーンから撮影はスタートした。

まだ寒いこの時期、撮影スタッフが準備をしていると萬田、足立、加藤の3名が到着。拍手で迎えられる中、萬田の「これから約2カ月、頑張るぞ!」という大きな声に、スタッフの士気も高まった。

とはいうものの、この日は2月でも特に寒かった日。スタッフはダウンコートを着込んでいるが、出演者は春物の衣装で演じなければならない。
最初に撮影するのは3人が家に入る直前でママ友に呼び止められ、由真が家の前で話し込むシーン。

ミキと亜子は先に家に入ろうとするのだが、台本では由真が開けたはずの玄関の鍵が閉まったままというハプニングが発生。これを見た萬田が「もう!まったく気の利かない嫁だね!」と、冗談交じりで言うと、足立も「すみません!すみません!いま開けますから!」と大慌て。予想外の事態にも、本当の嫁姑のようなやり取りを見せ、萬田・足立はもちろん、現場からも笑いが!初共演の二人だったが、初日から絶妙なコンビネーションを見せてくれた。

▼萬田久子インタビュー
――百目鬼ミキというキャラクターを、どのようにとらえていますか?

萬田 百目鬼ミキは常に凜としており、自分にも他人にも厳しい方。でも、厳しい言葉の裏には愛があると思っています。
私も愛を持って人と接したいと常々思っているので、そこは似ているかもしれませんね。

演出サイドからは「厳しい表情で、台詞は低音で」と言われているのですが、撮影当初は表情がつい和らいでしまって…。監督からも「笑み、出ちゃってますよ!」と、度々注意を受けましたけど、今はもう、「百目鬼ミキ=萬田久子」みたいな感じですね。

今回は私の実年齢よりも上の役を初めて演じるので、見た目の印象についても皆さんと綿密に打ち合わせをしました。着物に関しては「派手ではないけれど質のいいもの」ということで、大島や塩沢といった紬を中心に揃えています。

また原作では帯留めを付けていることが多いので、そこも取り入れました。
着物に興味のある方には、ぜひそんな部分も注目してほしいですね。ちなみに髪の毛は地毛プラスαでセットしているんですが、毎回モト(冬樹)さんが興味津々で寄ってくるんです…。いずれモトさんも、こんな髪型にするんじゃないかな(笑)

――撮影現場はどんな雰囲気ですか?

萬田 本当に楽しいですよ。常に「楽しくなければ現場じゃない」と思っているし、現場にいることが私の活力の源。細胞が生き生きしてくるのを感じます。百目鬼家のロケ現場はちょっと遠い場所にあるのですが、何度も通っていると古い日本家屋特有の匂いにも馴染んできて、何となく「自分の家に帰ってきた」ような気持ちになるんですね。


共演者の皆さんとも、本当の家族のように過ごしています。村長役のモトさんは以前からの知り合いですし、足立さんは初対面だったけど、こういうお嫁さんが来たら心強いなと思いますね。自分の考えを持ちつつ、姑役の私ともいい距離感を保っているし。そして亜子ちゃん(加藤柚凪)はもう…、先輩と言ってもいいくらい(笑)

子どもらしいあどけなさもあるけれど、監督も舌を巻くくらいの演技を見せてくれて…。そんな皆さんのお陰で、私も百目鬼ミキになれたんだと思います。

――ミキの「喝!」については、どのようにお考えですか?

萬田 今の時代、他人を叱るのってとても勇気がいりますよね。
私も普段の生活で迷惑な行動を取る人に「ちょっと…」と思うことはあるけれど、口に出すことはなかなかできません。叱るということは、言ったことに対して責任を持つということ。それはとてもパワーが求められると思います。

そして何より、叱る際に必要なのが「愛」です。私のデビューはスカウトがきっかけだったんですが、東京へ出て行くことについて、周囲からは反対が多かったのですが、一人だけ、賛成してくれる人がいたんです。

その人は「反対している人の多くは、10年後、20年後のあなたのことまでは考えていないんじゃない?」と言ってくれて。その愛ある一言が背中を押してくれて、今の私があるわけです。周囲の意見に迎合せず、思ったことを言ってくれる存在は格好いいし、憧れますよね。

――『グランマの憂鬱』を、どんなドラマにしていきたいですか?

萬田 視聴者の皆さんにも今起きるような、身近な問題がこのドラマの題材です。第1話の「おらだおらだ詐欺」から始まって、高齢者特有の問題や若者が抱える悩みなどを取り上げていきます。どんな年齢の方も、どんな見方をしても、スカッとしていただけるんじゃないでしょうか。ご家族で見ていただいたり、ミキと由真さんのように嫁姑で見ていただいても、いいヒントが見つかるかも。

年を重ねた女性が主役のドラマというのも、珍しいかもしれません。原作者の高口里純さんも、「最初は描くことに勇気が必要だった」とおっしゃっていました。でも人生経験豊かな主人公だからこそ、伝えられることがあると思っています。

――最後に、視聴者の皆さんにメッセージをお願いします!

萬田 見ていただくと心のコリがほぐれて、スッキリとした気持ちになれるドラマです。土曜日の夜に放送されるので、「一週間分の全身エステ」のような効果があると思います。ぜひリラックスした気持ちで、エステを受ける感覚でご覧ください。

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