早田率いる東一中は、2018年に放送され「小学生編」「中学生編」を描いたアニメ『キャプテン翼』シーズン1の第35話「カミソリパワー爆発」にて、主人公・大空翼率いる南葛中と対戦する。試合開始前には、翼に対して「たいしてでかくねえな」と挑発ともとれる言葉を吐き、審判から口を慎むように注意を受ける。注意を受けても「ヘイヘイわかりましたよ」と悪びれるキャラクターだ。因みに、早田は大阪代表の選手だが、関西弁を使用しているシーンはあまり見られない。
早田が「エースキラー」という異名を持つきっかけとなったのは、過去に相手チームのエースにケガを負わせたことからだ。試合では、南葛中のエースである翼を徹底的にマーク。試合開始早々に早田の「カミソリシュート」で奪った先制点を死守すべく反則をも厭わないプレイで翼を封じる。
中学生らしからぬ風貌で少々ヤンチャな印象の早田は、見た目通りのヤンチャなプレイスタイルだ。翼は早田との競り合いのなかで足を負傷する。試合終盤、同点に追いつかれた早田は「カミソリシュートは二枚刃」といい、1点目に決めたシュートとは逆に曲がるシュートを放つ。しかし、足の角度の違いを見抜いた翼の指示によって、キーパーに止められてしまうのだった。
ここから反撃を受け、早田は翼を苦しめたものの惜敗を喫する。試合後、足を負傷した翼を気にかけるセリフを言い、実はいいやつじゃないかと見直される。まるでシュート同様、性格まで二枚刃のようだ。
「ジュニアユース編」に入ると早田の二枚刃な性格に拍車がかかる。ジュニアユース本戦前の練習試合で敗北の続いた日本代表に、次の練習試合の相手であるイタリア代表は戦う意味がないと試合を断ったのだ。悔しさを露わにするチームメイトの前で早田は「日本のハジをさらさずにすんだ」と冷めた発言。チームメイトから反感を買ってしまう。
本戦に入り勝ち進んだ日本代表は準決勝でフランス代表と対戦。エースキラーとしてフランス代表のストライカーのマークにつくよう指示を受け試合に臨んだ早田は、2枚のイエローカードを受け退場処分となる。 肩を落とし控室へと下がる早田は、それまでの強気な姿勢とは一変し涙ながらに手を合わせ、日本代表の勝利を神に祈る。
前半戦をリードされて控室に戻った選手たちは、審判の判定が不公平だと怒りをあらわにする。その横で、リードされているのは「おれのせいだ」とうつむく事しかできない早田。
冷めた発言や乱闘騒ぎと手荒ではあるが早田のいいやつぶりにネットでは「ほんと根は良いやつだよなぁ」との声があがる。
PK戦の末フランス代表を撃破した翼たちは、控室に向かい早田に勝利の報告をおこなう。その結果を聞き、安堵の表情を浮かべ涙する早田。ジュニアユース編を代表する名シーンのひとつだ。
気が強く素直になれないキャラが、「実はいいやつだった」という設定はベタといえばそうかもしれない。ツンデレキャラと言っても過言ではない早田の名シーンが、2023年10月放送開始のアニメではどのように演出されるのか、今から楽しみだ。
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