サバゲー、ハイエース旅、ゲーム配信、タイムラプスなど、多くの趣味を持つことで知られるインパルスの板倉俊之。今回は、自身が今ハマっていることについても綴られた初エッセイ『屋上とライフル』(2023年8月1日発売/飛鳥新社)を発売したばかりである板倉の、“趣味人”としての顔に迫った。


【写真】初のエッセイ本を出版したインパルスの板倉俊之

公式YouTubeチャンネル「板倉 趣味チャンネル」で登録者数22.9万人を集めている板倉俊之。プライベートで情熱を注いでいることをジャンルレスに発信している理由を聞くと「やりたいから、というだけですね」というシンプルな答えが返ってきた。

「自分がやりたいことを追求しているだけで、それが楽しいんですよね。逆に言えば、『これを今YouTubeでやったら当たるぞ』っていうんじゃ、全然楽しめないと思います。だから、すごくやりたいことが実現しても、壊滅的に再生数が伸びないってことがよくありますよ。でも趣味の動画に関してはもう、“自分の冒険の記録”を残しておきたいというだけなので、それでいいんです」

板倉の趣味動画は2時間近くの大作も珍しくないが、その編集はすべて本人が自力で行っている。


「ハイエース旅だと数日間にわたって動画を回しているので、そんな膨大なボリュームの素材を他人に丸投げして編集してくれとは言えないです。俺だったら、冗談じゃないと言って断りますもん(笑)。

よく『芸能人なんだからスタッフにぜんぶ任せちゃえばいいじゃん』と言われるんですけど、僕の場合、人に任せちゃう時点でもう趣味じゃない気がして、楽しくなくなっちゃうと思うんですよ。だから、必死で撮影も編集も勉強したんです」

今では、趣味チャンネルにアップする動画の編集作業も、“趣味”のひとつになっているのだとか。

「特にサバゲー動画は動きが大きいので、見せ方を工夫しないといけないんです。カメラを3つ同時に回して、スイッチングして、フィールドマップのインサートを入れて、フラッグの印つけて……今見返すと、自分でも震えるぐらい凝ってる。
『こいつ、めちゃめちゃ頑張ってるなー!』って。

で、全然(再生数が)伸びないっていう(笑)。やっぱり、一部の人しか興味がないジャンルなんですかね。でもやっぱり、自分が楽しいからやってるんです。あとはまあ、『ここまでやったんだから、やめられねえよ!』って、 引っ込みがつかなくなってるのもあると思います」

さらに「板倉 趣味チャンネル」で人気コンテンツの一つといえば、ハイエース旅の動画。なかには220万回以上が再生されたものもあるが、本人は「ハイエース旅に大きな反響が寄せられたことは、意外だった」と語る。


「僕にとっては、あれって単純に“旅の思い出ビデオ”ですから。いつかおじいさんになってから自分が見返すために撮って、編集してるんです。もちろん、多少は見やすくしないといけないですけど、“思い出ビデオ”だからそこまで頑張って作り込まなくてもいいかなって。

趣味動画って、撮る側が視聴者に“教える”という趣旨のものが多いような気がするんですけど、僕は最初からそういうつもりで始めていなかっただけに、初期の動画はまだ色々と慣れていない様子が収められているんですよ。それが今になって、すごい良かったなと感じています。

見習いだった頃の自分の姿ってその時にしか撮影できないし、後から『どんな感じだったかな』って、必ず見返したくなるはずなので。
そういう意味でも、冒険の記録になっていますよね」

そのほか、板倉が趣味について発信する上で意識していることがあるという。

「滞りなく進行しているキレイな動画を見たいという人も多いですけど、僕は上手くいっていない苦しみの部分も動画に残したいと思ってます。実際にこれから趣味としてそれを始めたいと思って動画を見る人って、多分、そういうリアルなところが知りたいと思うんですよね。

たとえば、キャンプの後片付けってすごい大変なので『もう二度とやりたくない』ってなるんですけど(笑)、そういうところを端折らずにしっかりと見せる。僕自身も、頑張って片付けたわけだから、ちゃんと記録しておきたいんですよ」

“趣味人”として興味の範囲を広げ続けている板倉。やりたいことは、まだまだ尽きないのだそう。


「僕が思う趣味の良さって、後悔がないところなんですよ。その時間を使った以上の何かが必ず心に残るし、その趣味に出会ったあとの自分って必ずどこかが変化しているはずなので。だから、追い求めてしまうんじゃないですかね」

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