映画『キングダム 運命の炎』が人気だ。今年7月に封切られた実写化映画の第3弾で、8月21日に発表された映画観客動員ランキングでは、4週連続で首位を獲得。
累計で動員289万9000人、興行収入41億6900万円を記録している。原作マンガは2006年に『週刊ヤングジャンプ』で連載スタート。紀元前の中国を舞台に、天下の大将軍になるという夢を抱く少年・信が数々の戦で活躍を見せ成長を遂げていく。

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 史実においては秦が、韓・魏・趙・燕・斉・楚の6カ国を滅ぼし、紀元前221年に中華統一を果たす。しかし2023年8月現在、マンガ『キングダム』では、6カ国のうちどの国も滅んでいない。連載から17年が経過し、未だどの国も滅んでいないとなると、いつになったら統一が果たせるのか想像もつかない。本記事では史実の年表と照らし合わせていつ頃終わるのか検証する。

 後に始皇帝と呼ばれる秦の王・嬴政が即位したのが紀元前247年。マンガ『キングダム』の第5話「異母弟」で、政が前年に即位したとの描写がある。よって物語の始まりは紀元前246年だと予想される。2008年に発売されたコミックス11巻からは、趙との戦いが描かれるが、これは史実だと紀元前244年あたり。

 紀元前243年には趙の李牧の提案で、秦趙同盟が結ばれるがこのシーンは2010年に発売されたコミックス17巻に登場。
ここまで史実の期間と、コミックスの連載期間は同程度の関係になっている。紀元前241年には、韓・魏・趙・燕・楚の5カ国による合従軍が秦に攻め入り、秦は最大といってもいいピンチに襲われるが、総力を挙げてこれを撃退。この戦いの模様は、2012年発売のコミックス25巻より描かれている。

 合従軍のストーリーあたりから、史実よりもマンガのほうが時間がかかるようになってきている。史実では1年もかからなかったこの戦いは、マンガでは2014年発売のコミックス33巻まで約2年に渡って描かれ、史実の約2倍の期間を要している。

 2023年7月に発売されたコミックス69巻では、紀元前233年の秦趙宜安決戦が描かれている。ここまで史実で経過した時間は13年、マンガの連載期間は17年とその差はさらに広がっている。今後もこのペースが継続すると仮定した場合、韓・魏・趙・燕・斉・楚の6カ国がいつ頃滅び、秦が中華統一するのがいつ頃になるか考察する。

 6カ国のうち、最初に滅んだのは紀元前230年の韓だ。マンガ『キングダム』で韓の滅亡が描かれるなら、計算の結果、2026年ごろだと予想される。韓の滅亡のあと、紀元前228年に趙が、紀元前225年に魏が、紀元前223年に楚、紀元前222年に燕が滅亡し、最後に紀元前221年に斉が滅亡して秦が中華統一を果たす。

 マンガの進行がこれまで通りで進むと、斉が滅亡して秦が中華統一を果たすのは、連載開始から30年以上経過した2038年ごろだと計算される。
コミックスはおおよそ3か月に1回、1年で4巻発売されていることから、今後、60巻以上発売される計算になる。 しかもこれは秦の中華統一がゴールだと設定した上での計算だ。もし中華統一後の秦が描かれるならば、さらに連載期間が長くなることも考えられる。

 作者の原泰久先生は、以前、インタビューで50歳あたりで連載を終えられたらと考えていると答えている。原泰久先生は1975年生まれなので、2025年あたりの連載終了を考えているとなるのだろう。ただ、まだ1か国も滅んでいないマンガの進捗状況を史実と照らし合わせると、かなり難しいといえるだろう。

 今回秦の中華統一を舞台にした超大作マンガ『キングダム』の最終回がいつになるか、史実を踏まえて予想した。ただ、TVアニメや映画などにもなり人気の高い作品であるため、少しでも長く続いて欲しいと思うファンも多いだろう。主人公・信の活躍を少しでも長く楽しみたいものである。

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