クリエイターユニットHoneyWorksがサウンドプロデュースを務める10人組アイドルグループ・高嶺のなでしこが、この冬、メジャーデビューすることが明らかになった。9月3日(日)、東京・豊洲PITで行われたグループ結成1周年ライブの終盤、メンバーにも事前に知らされていない状態でサプライズ発表された形だ。
今回は、代表曲や人気曲から新曲、さらには、今年対バンツアーで共演したアイドルグループのカバー曲も盛り込んだ記念すべき1周年ライブの模様をレポートする。

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高嶺のなでしこ(通称:たかねこ)は、「JDOL AUDITION supported by TIF」の最終合格者7名と2022年5月に活動を終了したラストアイドルの元メンバー3名(松本ももな・籾山ひめり・橋本桃呼)の合計10名によって、2022年8月に結成されたアイドルグループ。結成1周年を記念した今回のライブは『高嶺のなでしこ1周年記念ライブ ~美しく生きろ~』というタイトルで開催された。

豊洲PITの入り口周辺やロビーフロアには、1周年をお祝いすべく、他のアイドルグループからのスタンド花やファン有志達によるデコレーションされたスタンド花が並び、会場全体にお祝いムードが漂っていた。

18時を過ぎ、特徴的な三拍子の『OVERTURE』が流れ出すと、会場からは自然と手拍子が鳴り響く。モニターには、過去のMUSIC VIDEOのダイジェストが次々と映し出されて、手拍子を打つファンの気持ちが高まってゆく中、メンバー全員が登場すると、1stシングル『アンチファン』でライブがスタート。1曲目から全力のコールが沸き起こり、十色のメンバーカラーのペンライトが揺れる。

続いて、monaの『誇り高きアイドル』、CHiCO with HoneyWorksの『乙女どもよ。』と、HoneyWorksが世に送り出してきた人気曲が続く。冒頭にこの3曲を持ってきたあたりに、たかねこのアイドル2年目としての矜持というか、このライブにかける強い思いが感じられた。気合いや熱量が存分に伝わってくる頭3曲のパフォーマンスに触れて、「今日のライブは特別なものになる」と確信したファンも多かったのではないだろうか。

ここで、最初のMCパートへ。
自己紹介後、松本が「10人揃って、そして、ファンのみんなと1周年をお祝い出来てとても嬉しい。盛り上がる準備はできていますか?」と客席を煽ると、ファンも大歓声でそれに応える。そして、メンバーが1人ずつ、ファンへの感謝の気持ちを伝えるという企画コーナーへ。メンバーが挨拶している時、会場が都度、そのメンバーカラーに染まる様子がとても印象的だった。

メンバー全員の衣装チェンジが終わると、次のブロックへと突入。このブロックでは10人がバラバラの衣装を身に纏い、『ユメムスビ』からスタートした。客席内を練り歩きながらのパフォーマンスで、ファンのボルテージが一気に高まったところで、先日、たかねこのYouTubeチャンネルで1000万回再生を突破したばかりの超人気曲『可愛くてごめん』へと続く。

さらに、松本の歌い出しとセンターでのパフォーマンスが印象的な『女の子は強い』、そして、『男の子の目的は何?』を披露。『男の子の目的は何?』では、「だから大好き」という歌詞で歌い終わると、ファンも大声で「俺もー!」と応え、会場に一体感が生まれる。まさに、たかねこを代表する可愛い楽曲達をギュッと詰め込んだブロックとなった。

ここで、ブリッジ映像を挟み、再び衣装チェンジして次のブロックへ。『僕は君になれない』『#超絶かわいい』という人気曲2曲の盛り上がりは、このライブのハイライトのひとつだったと言ってもいいだろう。
ライブ全体を通して、たびたびコール&レスポンスで会場がひとつになる瞬間はあったのだが、『#超絶かわいい』でのやり取り「♪君の大好きな人はだーれ?」「超絶かわいい たーかーねーこ!」の部分での会場の一体感は、鳥肌が立つくらいグッとくるものがあった。

そして、ここからさらに6曲のアイドルソングメドレーへと突入する。今年の春に行なわれた対バンツアーで共演したアップアップガールズ(2)、Appare!、真っ白なキャンバス、LinQ、STU48、TEAM SHACHIという6組のアイドルグループの楽曲の豪華なカバーメドレーに、ファンは歓喜。特に、最後に歌ったTEAM SHACHI『乙女受験戦争』のフル尺での全力パフォーマンスには、たかねこの新たな可能性を感じさせられたのではないだろうか。

このようにファンを楽しませる工夫、飽きさせない工夫が随所に見られるのもたかねこのライブの魅力。そして、HoneyWorksならではの口ずさみやすい楽曲やコールを入れやすい楽曲が多いのも大きな特徴だ。その後、アイドルメドレーから間髪入れず、メンバー5人ずつでのパフォーマンス『可愛いって言われたい』、『私の怪物』へと続き、たかねこお馴染みの衣装で再び10人が揃うと、『革命の女王』、『決戦スピリット』というクールな楽曲が続く。ここでは、真っ赤な照明やファイヤーボールの演出がたかねこのパフォーマンスを盛り上げる。「Wow~」と一緒に歌える曲を並べたところにもセットリストへのこだわりが感じられた。

特に、『決戦スピリット』のサビの部分で、メンバーが大きく腕を振り、ファンがペンライトを振っていた景色は圧巻。メドレーを含む中盤のこのブロックは、実に12曲ノンストップというアツいブロックとなった。

最後のMCパートでは、メンバーが5人ずつ着替えに入ったのだが、ステージ上に残った5人が、着替え中のメンバーの「2年目の目標」を勝手に決めるという企画コーナーを展開。
可愛い楽曲ではとことん可愛く、クールな楽曲ではカッコよくパフォーマンスしつつも、MC部分で見せるこうしたワチャワチャした仲の良い姿もたかねこの魅力なのだろう。

最後のブロックは制服スタイルの衣装にチェンジし、シャボン玉が飛ぶ中、『初恋のひと。』からスタート。続く『ヒロインは平均以下。』では「好き」というフレーズが、最後の曲『月曜日の憂鬱』では「LOVE」や「超好き」というフレーズが連呼される、何ともたかねこらしい多幸感溢れる3曲でライブ本編は終了した。

そして、アンコール。イラストが描かれたTシャツ姿で登場すると、そこから撮影可能タイムに。またまた、たかねこらしい新曲『すきっちゅーの!』と『17歳』の2曲を初披露した。次の『ファンサ』では、客席内を練り歩きながらサインボールを投げるファンサービスで会場を盛り上げた。

そして、アンコール最後のMCパートで、メンバーがライブの感想を語り始めると、突如、ステージ上が真っ暗になり、モニターには「緊急告知」の文字が…。1周年記念ライブの大阪での追加公演、TEAM SHACHIとFRUITS ZIPPERを迎えての主催ライブイベントの開催が発表されると、メンバーもファンも歓喜。以上で告知終了かと思った次の瞬間、最後に「今冬メジャーデビュー」というサプライズ発表が待っていた。
客席からは盛大な拍手と「おめでとう!」の声が。情報量が多過ぎて、頭が追い付いていないといったメンバーのリアクションだったが、籾山が改めてメジャーデビューへの意気込みを語り、記念撮影とTikTok撮影を経て、本当に最後の曲へ。ラストは、今回のライブタイトルにもなっている『美しく生きろ』。紙吹雪が舞い、ミラーボールが輝く中、最高のフィナーレを迎えた。

終演後には、ハイタッチお見送り会が行われるなど、何度も一体感を味わうことができ、メンバーにとっても、ファンにとっても忘れられない1日になったに違いない。途中の映像パートでは、日本武道館への思いも語られていた。メジャーデビューが決まり、最高の形で2年目を迎えた高嶺のなでしこが、夢の地へと向かう姿をこれからも見届けていきたい、そう思わせてくれるような素晴らしいライブだった。

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