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テントが広大な土地を購入するのは、地下に半導体の原料であるフローライトがあるためだった。フローライトを販売すれば大きな収益になり、孤児院を増やして貧しい人たちに富を分配できる。ベキにはバルカ共和国の平和を実現し、人々を幸せにしたいという強い想いがあった。そのためにテロ行為を請け負って資金を集め、土地を購入していたのである。
また、テントの最終標的が日本であることについて乃木(堺雅人)が尋ねると、ベキは完全に否定。テントが日本でテロ行為を計画しているという噂が一人歩きしていただけだった。つまり、テントは別班が国防のために警戒するほどの組織ではなかったと言える。
土地購入のためにテロ行為を請け負っていたが、毎回被害が最小限になるように調整していたという。最小限とはいえ被害者がいるため、テントが善の組織とは言い難いが、悪の組織とも断言できない。テントは正義のために犯罪行為を行うという、ある意味別班と類似した組織だったのだ。
テントの実態と同時に、ベキの凄惨な過去が改めて明らかになった。ベキは公安の諜報部員としてバルカ共和国に潜入していたが、内乱に巻き込まれ、公安に見捨てられた。
そんな状況で絶望していたある日、赤ん坊のノコル(二宮和也)に出会う。ベキはノコルを自分の息子として育て、孤児のために働くことを決意したのであった。ベキを内乱から救ったのは、テントの幹部であるバトラカ(林泰文)だった。その後ピヨ(吉原光夫)とも出会い、テントを結成。孤独だったアディエル(Tsaschikher Khatanzorig)をベキが救ったことも分かった。
テント結成の流れが判明したところで、状況は一変する。極秘だったフローライトの情報が政府に漏れていたのだ。乃木がテントに合流したタイミングで情報漏洩が起きたため、ノコルは乃木を疑う。さらに日本のテントモニターから、別班の4人が生きている証拠の映像が送られてくる。ベキは乃木をロープで縛り付け、別班として潜入捜査をしているのかと問いかける。それに対して乃木は「別班の任務としてここに来ました」と答える。
最後のシーンでベキは刀を振りかざしているが、おそらく乃木ではなくロープを切るのではないかと考えられる。なぜなら、ベキにとって乃木は大事な実の息子であるからだ。ベキにとって、妻と息子は本当に大切な存在だった。
息子の乃木を失った悲しみから、孤児を助けるためにテントを立ち上げたのである。そんなベキが、たとえテントを欺いたとしても、息子の乃木を刀で切るとは思えない。公安に裏切られても復讐せず、孤児を助けて仲間を守ることを重要視している人格者のベキ。裏切った乃木を助けて、日本に帰らせるのではないだろうか。
絶体絶命の状況に追い込まれた乃木は一体どうなるのか。そして、テントのリーダーであり実の父であるベキとどのように決着をつけるのか。次回、ついに全ての真相が明かされる。9月17日(日)に放送される最終話を楽しみに待とう。
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