真木よう子主演の映画『アンダーカレント』が、10月6日(金)より全国公開される。9月21日(木)、新宿バルト9 シアター9にて完成披露上映会・舞台挨拶が行われた。


【写真】『アンダーカレント』舞台挨拶に登場した真木よう子ほか【6点】

完成披露上映会には主演の真木よう子、共演の江口のりこ、そして今泉力哉監督が参加。銭湯の女主人である主人公・かなえを演じた真木は、原作ファンでもあるというで「漫画オタク的には、好きな漫画って実写化して欲しくない。覚悟をもって人がやるなら私がやる」と断言。

「演じるにあたり、かなえちゃんを自分の中に入れようと原作をたくさん読み直しました。かなえちゃんの奥深くのコアな部分まで落ちていかなければいけない作業であり、それはシーン毎に忘れてはいけない作業。やりがいのある役でした」と報告。「これから観てもらえるのが楽しみでもあり怖くもある」と率直な感想を述べた。

一方、かなえと悟(永山瑛太)の同級生である菅野役の江口は「忙しくてまだ本編は観られていないけれど、映画館で予告編はたくさん観た。監督が今泉さんで主演がよう子ちゃんで、それだけでも面白そうだと思った。ますます観たい」と江口節で観客を笑わせた。

今泉監督は原作を映像化する上で「重さと深さ、悩みや孤独もあるけれど、物語にはコミカルな時間や穏やかな時間も流れている。その面白さをどう意識し、俳優部と作り上げていくか。
キャスティングも真木さんと共演経験のある方で固めることで、この映画を作る前の真木さんとの関係性や時間も作品のプラスになればと思いました」と工夫を明かした。

真木と江口は『パッチギ!』(2004年)からの仲というが、江口について真木が「私は親友だと思っています」と打ち明けると、江口は「親友ではないです。昔から知っているだけで」と例のごとくポーカーフェイスで突き放す。真木が「『パッチギ!』の撮影の時に買い物とか一緒に行ったやん!」と訴えるも、江口は「だからと言って親友ではない!」と親しき仲ゆえの塩対応を見せ、笑いを誘った。

人を選ばぬ江口のサバサバした態度に大爆笑の真木は「今では売れに売れている感じの江口になってしまったけれど、今回私の主演作を手伝ってくれて、こんなにありがたいことはないです」と感謝し「私は江口のことが好きなので、撮影中に顔を見ると笑ってしまう。そこだけに気を付けて頑張りました」と嬉しそうに撮影を回想。江口も「久々の共演だったので邪魔しないようにと考えて、くだらない話もあえてしませんでした」と共演を振り返っていた。

また真木は初タッグとなる今泉監督について「最初にお会いした時に、この人好きだなと思った。撮影中もぶつかることなく、また何かの機会があれば呼んでほしいと思うくらいでした」と好感触。今泉監督も「真木さんは撮影現場に台本と原作本の2冊を持ち込んでいて、常にかなえと向き合ってくれていた」と感心していた。

表面の思想や感情と矛盾する暗流という意味を持つ『アンダーカレント』。タイトルにちなみ、真木の“アンダーカレント”を聞かれた江口は「意外に優しい!」と回答。
真木の素顔について「母親みたいな優しさをたまにくれるときがある。寒い時に自分の上着を貸してくれようとしたり、『チョコレート食べる?』と言ってくれたり。まあ、その二つだけですけど(笑)」と証言した。

今泉監督も「撮影中に追い込まれていたときに『大丈夫ですか?』と肩を揉んでくれた。その一つだけですけど」と同じく江口節で真木の“意外な優しさ”を明かしていた。

最後に主演の真木は「私自身、この映画をやり終えたことで周りにいる大切な人との接し方が温かいものに変わりました。映画をご覧になった方もそんな風に温かくなってくれればいいなと思います。楽しんでじっくりとご覧ください」と観客に呼び掛けていた。

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