9月14日からNetflixで独占配信されている映画『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』。
監督の福田雄一をはじめ、出演する本環奈、ムロツヨシ佐藤二朗といったキャストの面々が各々の分野で“らしさ”を炸裂、大人も子供も楽しめる作品に仕上がっている。

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同作品はグリム童話をベースにした青柳碧人の連作短編ミステリー小説を映画化、『勇者ヨシヒコ』シリーズや『今日から俺は!!』シリーズなどで知られる福田雄一監督がメガホンを取った。小説内では主人公とする赤ずきんはもちろん、「シンデレラ」「ヘンゼルとグレーテル」「眠り姫」「マッチ売りの少女」など数多くの西洋童話が登場している。

しかし、映画化された今作では赤ずきん(橋本環奈)、シンデレラ(新木優子)のみが物語の主軸に置かれる。シンデレラは童話通りのキャラクターだが、赤ずきんには妙な洞察力の高さと図々しさが備わっており、2人はひょんなことからともに舞踏会へ向かうことに。その途中に死体と出会ってしまい、事件に巻き込まれていくというストーリーだ。
森を歩く赤ずきん、そして虐げられるシンデレラという誰もが知る物語は踏襲しているものの、以降は完全なオリジナルとなっている。

童話であり、本格ミステリー。そこに福田監督の大きな特徴であるコメディ要素が強く加わった同作品だが、仮にミステリーをあまり見る習慣がない方でも身構える必要はない。物語の流れは非常にシンプルで、それこそ童話のように子供でも理解できるような構成となっている。

その中で存在感を発揮しているのが橋本環奈、ムロツヨシ、佐藤二朗といった“福田組”ではおなじみの面々。橋本が演じる赤ずきんは物語の主人公であり、案内役でもありながら、ツッコミ役も任される。
突然フランクな言葉遣いや振る舞いによって、物語がシリアスになりすぎないような効果をもたらしている。

また、ムロツヨシと佐藤二朗はそれぞれの役で“らしさ”を存分に発揮。役にハマっているか、それとも明らかなミスマッチでくすりと笑わせられるか、ぜひ本作品で2人を観て確認してみてほしい。

『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』ではその他にも豪華な面々が登場。シンデレラ役で物語のヒロイン的な役割を担っている新木優子はもとより、王子様役の岩田剛典はこれ以上ないほどしっくりくる。
桐谷美玲、夏菜、若月佑美山本美月、キムラ緑子、真矢ミキらの人気俳優もそれぞれの持場で確かな存在感を放つ。

シンプルなストーリー、コメディタッチで進む同作品だが、もちろん大人が観ても楽しむことができる。物語を解き明かすトリックのカギは序盤から散りばめられており、合点がいくような出来となっている。どの年代の人にとってもマッチする作品で、赤ずきんとともに犯人を探して見るのも面白いかもしれない。

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