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趣里が演じるのは、大阪の下町に住む、歌って踊るのが大好きな天真爛漫な女の子、花田鈴子。歌劇団に入団し、メキメキと成長を続ける鈴子は次第に「スウィングの女王」と呼ばれる人気歌手になる。しかし、戦争が始まると状況は一変。『ブギウギ』は激動の時代に、歌とダンスにひたむきに向き合い続ける歌手、鈴子の波乱万丈な物語である。
『ブギウギ』の楽しみの一つは、なんといっても歌とダンス。趣里が鈴子としてどのような歌とダンスを披露してくれるのか目が離せない。
まず注目したいのは歌唱力。趣里の母親は元キャンディーズの伊藤蘭だが、彼女の歌の実力はどれくらいなのか。
趣里は2015年公開の映画『東京の日』で『なごり雪』を披露。カラオケで歌うシーンのため、圧倒的な歌唱力を見せつける場面ではないものの、素朴で優しい歌声を披露している。
そして趣里のダンスについては、期待しかない。というのも趣里は4歳からクラシックバレエを習い、15歳の時にイギリスのバレエ学校へ留学している。バレエで数々の舞台を経験してきた彼女が、どのようなパフォーマンスを見せてくれるのか注目したい。
鈴子は大阪出身のため東京出身の趣里がどんな関西弁を話すかも気になるところだ。だが、過去には『京都人の密かな愉しみ blue 修業中』(2017年~2022年/NHKで不定期放送)で見事な関西弁を披露している。当時も違和感がないと評判だったため、『ブギウギ』でも自然な関西弁を見せてくれそうだ。
また、明るくエネルギッシュな鈴子を、趣里がどのように演じるのかも見どころの一つ。趣里は過去の作品でも幅広く役を演じているが、特に印象深いのがどこか陰のある役。
例えば、第42回日本アカデミー新人俳優賞を受賞した映画『生きているだけで、愛。』(2018年)では、鬱病で引きこもりの寧子を演じた。
少し癖のある役が多い印象だが、趣里は過去にも『ブギウギ』の鈴子に負けず劣らず、明るくエネルギッシュな役もこなしている。
例えばラブコメディの『過ちスクランブル』(2018年/フジテレビ)では真っすぐでおっちょこちょいな主人公の理沙を爽快に演じている。『僕とシッポと神楽坂』(2018年/テレビ朝日)では主人公に好意を寄せる猪突猛進のすず芽を演じた。『ブラックペアン』でクールな猫田麻里を演じた数か月後に、パワフルで明るいすず芽役としてドラマに出演。同一人物とは思えないほど、どちらの役も見事にはまっていた。
『ブギウギ』の鈴子にはこの先、辛い運命も待っている。戦争が始まると鈴子の歌やダンスが制限されてしまう。さらに母親や愛する青年の死を経験。それでも前を向いて歌い続ける。
影のある役から明るくパワーのある女性まで自然に演じられる趣里だからこそ、『ブギウギ』の鈴子役に期待したい。
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