【写真】地元の良さを語る、高橋愛の撮りおろしカット【10点】
──まず福井県を舞台にした映画というオファーがあったときは、どう思われましたか?
高橋 オファーがあったこと自体はもちろんですけど、福井で映画を作ってくれることに対して県民としての喜びが先にありました。地元福井が世界に誇る「眼鏡」づくりが題材でしたしとても嬉しかったです。
どうして福井の眼鏡が有名なのかというストーリーを分かって使っている人は少ないと思うし、正直私も分かっていなかったんですよ。
──撮影も福井で行われていますが、ご覧になって印象的な場所はありますか?
高橋 主演の(北乃)きいちゃん演じるむめと森崎ウィンさん演じる幸八が川辺でじゃれているシーンがあるんですけど、そこがとてもキレイな景色だったので行ってみたいなと思いました。
──福井県民でも知らない場所が出てくるんですね。
高橋 いや、知らない場所ばっかりですよ(笑)! 私が住んでいたのは福井市のほうなので、今回はまだ行ったことがないところに行かせてもらいました。撮影の時に宿泊したホテルの方がメッセージを書いてくれたりして、いろんな人が応援してくれているのも感じましたね。
──地元でお仕事があると、そういったメッセージをもらったり、声をかけられたりすることも多いですか?
高橋 そうですね。
──現場の雰囲気はいかがでしたか?
高橋 撮影には途中から入らせていただいたんですけど、きいちゃんが作る空気感がすごくよくて。森崎さんもノリがいい方なので、2人のやり取りが面白くて周りがそれを見て笑うという、いい空気が流れていましたね。でもスタートがかかると瞬時にその役になるという切り替えがすごかったので、参加した子役の子たちはそういう姿を近くで見てすごく勉強になったんじゃないかなと思います。
みんなで作っているという感じもすごくよくて、地元の方が出演してくださっている温度感もほっこりしました。あと福井出身の津田(寛治)さんがすごく面白くて! 演じることを心からを楽しんでいらっしゃって素晴らしいなと思いました。
あとは私の娘を演じてくれた子も、オーディションで受かった福井の子なんです。本当に演技がナチュラルでテストからクオリティが高くて、大人たちが驚いていましたね。
──作中で高橋さんがとても凛々しい母親を演じていらっしゃったのが印象的でした。
高橋 あれが当時の日本女性のあり方だった気がしますね。
──今回の作品を通して、改めて福井のよさを感じたことはありますか?
高橋 北陸新幹線開通に向けて住民の「福井を盛り上げよう!」という気持ちがすごいんですよね。知事も撮影に来てくださって「気合い入っているんで!」とおっしゃっていましたし、撮影を通じてもみなさんのその思いや熱量が感じられました。
そして眼鏡の歴史を知ってほしいと純粋に思いましたね。知ると大事に使おうという心が芽生えるし、そういった意味では特に子どもたちに見てほしいです。もしかしたらその歴史に携わっているのが自分の祖先かもしれないし、ぜひ学校でも流してほしいなと思いました。
──新幹線の開通で『おしょりん』を観た方を含め、福井に行ってみたいと考える方も増えると思うのですが、高橋さんおすすめの名所や食べ物はありますか?
高橋 まずは冬に来てカニを食べていただきたいです。特にセイコガニは希少で美味しいから県民が全部食べちゃって、県外に出ることが少なくて(笑)。
あとは坂井市の三国町で甘エビ丼を食べてほしい。東尋坊が有名ですけど、三国はそれだけじゃないんです。おしゃれなところもあるし、歴史を大事にして古いものも残してくれていて、海沿いもすごくキレイで、クルーズで離れた小島をぐるっと回って案内してくれたりするんです。以前ロケでお邪魔した若狭町もお箸やガラスの工房があったり、三方五湖という湖が集まっているところでもクルーズができたりするので、いろんなことを一気に堪能できる場所でおすすめです!
──地元でのお仕事があると、住んでいたときに知らなかった場所にも行ける楽しさがありそうですね。
高橋 「福井やるやん!」と毎回思います(笑)。ただそれを地元の人たちだけが知っているのはもったいないなと思うので、私がもっと発信していきたいです。
(取材・文/東海林その子)