木曜22時から放送中の連続ドラマ『いちばんすきな花』(フジテレビ)に主演している今田美桜。本作は多部未華子、松下洸平、神尾楓珠とのクアトロ主演である。
それぞれが魅力的な演技をしているのは周知の事実だが、今回は今田の演技に注目してみたい。

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今田は今年、4月クールに『ラストマン-全盲の捜査官-』(TBS)、7月クールに『トリリオンゲーム』(TBS)に出演しており、3クール続けて連続ドラマにレギュラー出演したことになる。今年公開された映画も踏まえると『東京リベンジャーズ』シリーズ2作品に加え、『わたしの幸せな結婚』と今田にとって大忙しの1年と言えるだろう。

その分、着実に演技の幅を広げてきた。『トリリオンゲーム』では、IT企業の取締役で社長令嬢でもある黒龍キリカを好演。黒龍の衣装はジュエリーなども合わせると、1ルック約5000万円ほどのものもあるらしく、今田自身はその高額な衣装に負けない美しさを演技で表現していた。特に赤をベースにしたドレスを着用したシーンでは、ここぞという勝負どころに赤色で決める意志の強さが衣装からも伝わった。

また、黒龍の性格に合わせて声のトーンを低めに設定して堂々とゆっくり話し、歩き方や姿勢、所作などからも令嬢らしさを演出していたといえる。語学が堪能で役職に恥じない仕事ぶりを見せ、さらに強くて美しい黒龍に憧れを持った人も多いだろう。

一方、『いちばんすきな花』で今田が演じる深雪夜々は、可憐でかわいらしい雰囲気を全面に出している。しかし、それが夜々の悩みの種でもあり、美容師として真面目に働いているが、異性と仲良くしようとするといつも恋愛だと勘違いされ、またその様子を見た女性陣からは妬まれるという具合だ。

夜々は人にも仕事にも真摯に向き合う清純な女性に見えるが、その裏にある「1対1で人と向き合うのが怖い」という悩みにも寄り添っていて、今田の演技が良いバランスを保っている。
とくに11月2日に放送された第4話は夜々にスポットが当たった回で、悩みや生きづらさがより浮き彫りになった。

3話の終わりで突如現れた夜々の母(斉藤由貴)は、4話で夜々の友達関係を把握し、仕事以外の予定を管理したがっていた。さらには最近出会ったゆくえ(多部)や椿(松下)、紅葉(神尾)らが原因で夜々の態度が悪くなっていると決めつける。そこで夜々は思い切った行動に出ることに。母親の用意した料理を横に、ゆくえらに会いにいくことを決めたのである。

翌朝家に戻った夜々は、すでに帰路についていた母親に電話で本心を伝え、これまでの苦悩を涙ながらに語った。夜々は、決して弱々しい女性というわけではないが、本音を言えなかったり、周囲に合わせたりする一面も持っている。第4話では、母親に対してそれらを打破するシーンが見受けられた。

電話を終え、母親が作り置きした惣菜を電子レンジで温めながらも、気持ちが高まって涙が止まらない様子など、今田の演技も相まって視聴者も共感できる場面が多かっただろう。

もちろん4月クールの『ラストマン』で今田が演じた捜査官・吾妻のように、尊敬する上司に敬意を払い、パソコンを駆使してスマートに仕事をこなす姿も忘れがたい。映画『わたしの幸せな結婚』では、ファンタジー要素がありながらも明治・大正期を彷彿とさせ、政略結婚をさせられる設定から、今田が演じた美世の振る舞いは洗練されていた。

どの作品をとっても、今田が今年出演した作品はそれぞれに違う特性を持ったキャラクターで、1年を通して視聴者を飽きさせない多彩な演技を披露したといえる。
『いちばんすきな花』はまだ中盤に差し掛かったところだ。まだまだ新しい今田の演技にも期待できるだろう。

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