──NMB48は3月に新体制が発足。川上さんと小嶋さんはチームキャプテンとして半年活動してきたわけですが、いかがでしょうか?
川上 慣れないものですねぇ~。私は同期の中でも妹キャラっぽい立場だったし、まとめるということをしてこなかったので、余計にキャプテンという役職は慣れないです。ただ例えば、普段はおちゃらけているように見える武井紗良ちゃんが実はめちゃめちゃ周囲に気を配っているとか、キャプテンになったことで見えてきたメンバーの新たな一面もありました。
小嶋 最初は私の優柔不断が原因でチームのみんなもどう進んでいいか分からない状況で、雰囲気はあまり良くなかったんです。でも、全員の意見をすべて取り入れるのは不可能だし、誰かが「こうします!」と決めなきゃ前には進めないんだと気付いたので、今は思い切って自分で決断するようになりました。今ではリハーサルなどもテンポ良く進められるようになったなと思います。
──一方安田さんは、キャプテン・渋谷凪咲さんの下でチームMとして半年間活動してきました。
安田 凪咲さんって以前は「みんなの意見について行くね」という感じだったんですよ。それが今回キャプテンという立場になられて、凪咲さん自身の意見をたくさん言ってくださるようになりました。例えば今行なっている「誰かのために」公演は、凪咲さんの中のイメージだと“京都”らしくて。
──3チームとも違った個性があると思うのですが、それぞれのチームの魅力や売りを紹介していただけますか? まずはチームNから!
川上 Nはまずフロントメンバー(吉田朱里・村瀬紗英・太田夢莉)が強い! しかもその3人がリハーサルから一切手を抜かない姿勢を見せてくれるので、チーム全体としても切磋琢磨できる環境が整ったチームだなと思います。
小嶋 確かに。Nはムラなく全部を完璧にできるチームというイメージがあります。
安田 パフォーマンスもそろっていてかっこいいし、誰1人手を抜いていないというのが伝わってきます! あとNは公演前に動画をアップしていたり、SNSを使ったアピールをしているところはMも真似したいなと思いました。
──チームNは先日も大縄跳びをする動画を上げていましたね。
川上 はい、意味分かんないですよね(笑)?
安田 いやいや、私は好きですよ!
小嶋 仲の良さも伝わってきます!
川上 メンバーみんな、よく「このチーム、落ち着くよね」という話をしているので、いいチームになってきている感触はあります! 個人的には、Nはやっぱり(山本)彩さんのチームというイメージが強いと思うんですけど、それを超えられるチームにしたいなと思っています。
──やはり彩さんの存在は大きいと。
川上 はい、だから最初はプレッシャーがすごく大きくて。でも先輩メンバーが私の悩みを聞いてくださるし、(河野)奈々帆やりかてぃー(清水里香)といった後輩メンバーも「ちっひー(川上)さんについて行きます!」と言葉で言ってくれるのですごくありがたいですね。
小嶋 おお~、素敵な関係!
安田 私もちゃんと凪咲さんに「ついて行きます!」って言お~(笑)。
──続いて、チームMの魅力は?
安田 昔から面白いイメージがあると思うんですけど、今のMも実際にお客さんがたくさん笑って帰ってくださるんですよ。
小嶋 Mは「ザ・NMB48」って感じがします。ファンを楽しませるエンターテインメント性では一番優れていると思うし、公演でも最初から最後までずっと笑顔になれる。そういうところはすごいと思います。
川上 Mの公演って、昔NMB48がやっていた『げいにん!』(日本テレビ)という番組の延長を観ているような印象があります。ボケとツッコミがちゃんと分かれていて、しっかり笑える!
小嶋 実際にMで漫才やコメディ系の劇とかをやってほしいんですよね。
安田 うんうん! お芝居が得意なメンバーも多いから、Mで新喜劇がやれたらって私も思っています!
──ちなみに安田さんは現在、白間美瑠さん・渋谷さんと共にチームMのフロントに立っていますね。
安田 ありがたいことなんですけど、やっぱりお2人と比べると自分はパンチが足りないな、と……。でも私はチームMでセンターに立ちたいので、お2人の壁を超えたいです!
──そして、チームBIIは?
小嶋 BIIは若いメンバーが多いので、公演を観ていただくと今までのNMB48にはなかった可能性を感じていただけるんじゃないかなって思います。先輩・後輩の関係性や仲の良さも魅力だと思うし、課題だったMCもだんだんうまくハマるようになってきたので、そのあたりも観ていただけたら。
川上 BIIは大半が選抜メンバーだし「波に乗ってんな~」ってイメージです(笑)。
安田 若いメンバーが多いから最初は「大丈夫かな」って思っていたけど、すごく締まりもある!
──山本彩加さん・梅山恋和さん・上西怜さんが並ぶフロントはNMB48の未来を感じさせます。
小嶋 私も3人の背中を見ていると「イケる!」って思えるんですよね。すごく頼もしいし、ずっと支えていきたいって思います。ただ、この3人も安心しているわけじゃなくて、後輩の塩月希依音と山本望叶がすごい勢いで成長しているから緊張感もあるんです。BIIの中の立ち位置も今後どう変わっていくか分からないので、そこはファン目線からすると面白い点かもしれません。
──チームBIIはこの夏、NMB48を代表して夏フェスに出演しましたが、いかがでしたか?
小嶋 「NMB48の先頭に立つのはBIIだ!」とずっと言っていたので、形になってうれしかったです! みんなの頼もしさを実感できた一方、他のアイドルさんを観て「もっと頑張らなきゃ」とも思いました。
──チームBIIの活躍を見て、お2人はライバル心もあるのでは?
川上 もちろん! BIIは注目株がたくさんいて勢いがあるのは分かります。でも私たちベテランもやってやるぞという気持ちはあります!
安田 Mも楽屋で「私たちも出たい~!」ってみんな言ってました。今は凪咲さんがたくさんテレビに出演されているので、Mはそれに乗っかってテレビに出られたら……(笑)。
──さて、新作『母校へ帰れ!』には各チームの楽曲も収録されていますが、それぞれ聴きどころは?
川上 Nの『がっつきガールズ』は「Go! Go! チームN!」という掛け声も入っていて、ライブで盛り上がれる曲になっています。前作の『焼け木杭』との振り幅も楽しんでほしいですね。
安田 Mの『パンパン パパパン』は、歌詞に「プチ整形」とか入っててヤバい曲です(笑)。
小嶋 BIIの『ジュゴンはジュゴン』は、最初聴いたときは驚きましたね。怪しい雰囲気の曲で、BIIのイメージとは正反対だったから「何でこの曲なんだろう」って不思議で……。それをメンバーに言ったら、「BIIもこういう曲を表現できるようになった方がいいってことだよ」って恋和が言ったんですよ!
川上 ええっ! 恋和かっこいい!!
小嶋 でしょ! その一言で、『ジュゴンはジュゴン』を良いものに仕上げなきゃって思いました。
──ところで、現在NMB48は研究生がどんどん力を付けていますね。
安田 私が研究生だった頃は先輩の足を引っ張ってばかりで……。でも今の研究生は私たちをすごく助けてくれるんですよ。自分から「M公演に出たいです」と言って練習してきてくれる子もいるし、みんな向上心があります。冠ライブをやったりグラビアに挑戦したり、個性も強い!
小嶋 ファンの方に楽しんでいただくためのSNSの活用も上手! 若いメンバーに勢いがあると上も焦って、グループ全体が活性化されるので、研究生のみんなには感謝しています。私も気が抜けないんですよ。
川上 うんうん。気を抜くとファンが研究生に流れていっちゃう……。
安田&小嶋 分かります~!!
──みなさん危機感があると。
川上 はい。でも研究生みんな努力しているし、ファンの方が応援したくなる気持ちは分かります。だって、朝から晩までレッスン場で自主練しているメンバーもいるんですよ! そういうところはとても尊敬しています。
──さらに劇場では小嶋さんプロデュースの公演「難波愛~今、小嶋が思うこと~」も行なわれています。
小嶋 正直、初日から3回目くらいまでは素直に楽しんで観ることができなかったんです。キャプテンという立場でメンバーを選ぶって、一番やっちゃいけないことだと思うんです。それをしてしまった罪悪感もあったし、公演内容についてファンの方から賛否両論あって、怖くて……。でも、出演してくれたメンバーが私の期待を超えたものを作り上げてくれて、メンバーもファンの方も楽しいと言ってくれたので、今はもうふっ切れました!
川上 私たちも出演しているんですけど、すごく楽しいんですよ! NMB48の楽曲だけで構成されているので、7年近く在籍している身としてはうれしい公演ですね。
安田 公演にお笑いを入れてくるところも「さすが!」と思いました。そして、私を『ジッパー』に選んでくれてホンマにありがとう(笑)!
──では最後に、今後のNMB48の展望について聞かせてください!
川上 NMB48は今、10周年という大きな目標に向かって1つずつ積み重ねていっている準備期間だと思っています。例えばショッピングモールとかで握手会を開いたりして身近な雰囲気を作り上げて、新たなファン層も取り込んでいけたら!
安田 そうですね、今応援してくださっているみなさんを大切にするのはもちろんですが、外からのファンをもっと増やしたいです! そのためには劇場公演はもちろん、取材やイベントなどどんなことでもコツコツと積み重ねていきたいし、何よりずっと愛されるアイドルでいたいです。態度が悪い人には誰もついてこないと思うので、誰からも愛される存在でいたいなと思います……と凪咲さんが言ってました(笑)!
小嶋 チームごとに個性が違うので、例えばNは女性誌とか、Mはバラエティ系にどんどん進出してほしいし、BIIはパフォーマンス面でアピールして、それぞれ異なる分野でのお仕事につなげていけたら。
(取材・文/左藤豊)
▽川上千尋(かわかみ・ちひろ)
1998年12月17日生まれ、大阪府出身。A型。チームNキャプテン。4期生。ニックネームは「ちっひー」。
▽小嶋花梨(こじま・かりん)
1999年7月16日生まれ、埼玉県出身。A型。NMB48キャプテン兼チームBIIキャプテン。5期生。ニックネームは「こじりん」。
▽安田桃寧(やすだ・ももね)
2001年6月8日生まれ、大阪府出身。O型。チームM所属ドラフト2期生。ニックネームは「ももね」。