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アニメファンから見た津田といえば、もともと『遊☆戯☆王 デュエルモンスターズ』シリーズの海馬瀬人役として有名だった。また2001年から放送されたアニメ『テニスの王子様』の乾貞治役で、多くの女性ファンを獲得。基本的に低音ボイスに定評のある声優だが、『TIGER & BUNNY』(NHK総合テレビ)のネイサン・シーモアをはじめとする個性的な役柄も数多く演じてきた。
そんな彼は最近になって、アニメだけでなくテレビ番組などにも引っ張りだこに。さらには10月13日に発売された写真集『ささやき』も、1カ月足らずで重版が決定するほど好評を博している。ある意味、今一番売れている男性声優と言っても過言ではないだろう。
やはり確かな演技力と甘いルックスを兼ね備えているところが人気の理由なのかもしれないが、それだけでは一般層にまで名前が知れ渡るのは難しい。津田がここまで有名になったのには、何か理由があるはずだ。
例えば最近で言うと、津田は2020年10月にスタートして大ヒットした『呪術廻戦』(TBS系)に、七海建人役として出演している。同作は『鬼滅の刃』ブームでアニメを見始めた層も取り込む形でヒットしたように思えるので、その流れで津田の名前も世間に広がったと考えられるかもしれない。
しかし津田はアニメ『呪術廻戦』が始まる頃には、すでに一般層にも認知されていた印象。
『呪術廻戦』がアニメ化される以前となると、まず考えられるのは『極主夫道』だろう。同作は玉木宏主演でドラマ化されたことでも有名だが、Netflixで制作されたアニメ版では津田が主人公の龍を演じていた。
さらにアニメ化する前には『極主夫道』の実写PVで、自ら龍に扮する形で出演。まるで原作から飛び出したかのような“完コピ”っぷりは、YouTubeの再生回数が1000万回を超えるほど大きな話題に。ドラマ化の話が上がった際にも再び注目を集めていたので、ここで津田の名前を知った人も多いのではないだろうか。
また2020年3月からは、NHK連続テレビ小説『エール』でナレーションを務めている。同ドラマの第97回にはサプライズで顔出し出演もしており、X(旧Twitter)上でトレンド入りを果たすなど大きな盛り上がりを見せていた。
こういった2019年~2020年前半にかけての活躍でメディア露出が急増し、『呪術廻戦』への出演で本格的な大ブレイクとなったのだろう。普段アニメを見ない人にも「海馬の人」や「乾先輩の人」などと説明すれば大体ピンとくるのも、彼の名前を広める助けになったのかもしれない。アラサー世代は特に。
津田が2021年に発表された第15回「声優アワード」で主演男優賞に輝いていることを考えても、賞の選考対象期間でもある2019年~2020年にかけてブレイクしたと見るのが妥当。
いわゆる“ランク制”の影響もあり、歳を重ねるほど役が少なくなってしまうこともある声優業界において、津田はまさに希望ともいえる存在。今後も多くの作品に出演し、年々渋さを増すその低音ボイスでファンを魅了してもらいたい。ツダケンのターンはこれからだ!
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