“楽曲派”のファンがこぞって絶賛するアイドル・桜エビ~ず。彼女たちは今年「ライブスタイルダンジョン」という、アイドルがライブパフォーマンスで競い合う対戦型イベントに挑戦した。
構成や順番も非常に大事になる今イベントにおいて、第1回大会では優勝、第2回大会では準優勝という結果を残した彼女たちが得たものとは?
インタビューを始める前にまずは「ライブスタイルダンジョン」の説明から。スターダストプロモーションに所属するアイドルグループによって構成されるSTARDUST PLANET(通称スタプラ)。そのスタプラの若手グループがライブパフォーマンスで競い合う新たなステージイベントとして5月24日に第1弾を渋谷ストリームホールで開催。このときは接戦の末、桜エビ~ずが優勝を飾った。10月3日に新宿BLAZEで開催された第2弾は、はちみつロケット、桜エビ~ず、アメフラっシのスタプラ勢に加えて、アップアップガールズ(2)、 monogatariと外部のアイドルグループを迎えた。それぞれのグループが1曲ずつ披露の総当たり戦を行い、審査員が勝敗をジャッジ。最終順位は総獲得ポイント数で決定する。

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──最初に9月22日に開催した新宿BLAZEでのワンマンライブについての感想を聞かせてください。

茜 過去最高のキャパだったので最初からアンコールまで緊張してたんですけど、楽しくパフォーマンスすることができました。

川瀬 この日に向けて頑張ってきたので顔も含めてベストコンディションで臨めました(笑)。新衣装を披露したんですけど、個人的にはずっとアイドルらしい短いスカートをはきたかったので、それが実現したのもうれしかったです。ライブは終始アットホームな雰囲気で、あっという間に終わりました。


水春 アンコールで初めてのホールコンサート(11月16日、日テレらんらんホール)を開催するという発表があって、「桜エビ~ずの進む道はこれから始まる!」と思って気が引き締まりました。

桜井 私は当日の朝起きたら急に声が出なくなって本当に悔しかったです。歌えない分、自分ができることを全力でやろうと、いつも以上にダンスを頑張りました。そしたら、握手会で「いつもより良かったよ」ってファンの方に言ってもらえたんです。なのでホールワンマンではキレキレで踊りながら歌ってリベンジしたいです!

──桜エビ~ずの勢いを感じた1年でしたが、自分たちでもそれを感じますか?

水春 リリイベなどでも初めましてのお客さんが増えているなと感じますね。

芹澤 アイドルファンだけじゃなくて、音楽が好きで来てくださるお客さんが増えました。

──今回のテーマである「ライブスタイルダンジョン」についてお聞きしますが、初めてイベントの内容を聞いたときはどう思いましたか?

水春 「マジか……っ」て気持ちでした。勝負事だからピリピリしますしね。実際、当日も緊張感がすごかったし、前回の雰囲気を知っているからこそ2回目をやると聞いたときも怖かったです。

──前回、楽屋での雰囲気はどうだったんですか?

茜 1回目の楽屋はMCを担当したエビ中(私立恵比寿中学)の真山りかさんと一緒だったので、わりと和やかな雰囲気でした。

水春 ただ対決に勝って楽屋に戻るまでの廊下は嫌味に思われないように気を遣いました。廊下では対戦相手のアイドルさんに対して「お疲れさまです」って控えめな感じだったんですけど、楽屋に入ってドアを閉めた瞬間に「やったー!」って喜びました(笑)。


──絶対に聞こえてますよね(笑)。セトリはメンバーで決めるんですか?

水春 まずメンバーで決めて、それをマネージャーさんに確認してもらって何曲かを差し替えました。相手のセトリは知らないので、出演順を見て考えました。

川瀬 この順番だったら、この曲がきそうだよねとか。

村星 戦い方を予想しながら、相手のアイドルさんに合わせた選曲をしました。

──1回目で優勝したときは、どんな気持ちでしたか?

村星 うれしさよりもビックリの方が勝ちましたね。

茜 それまで勝負事に勝ったことがなかったのでうれしかったですし、やっと世間に認められたのかなって気持ちになりました。

水春 優勝した後の廊下での「お疲れさま」は、笑顔を3倍ぐらい多めにしました(笑)。スタプラアイドルの良いところはステージ上ではバチバチ戦い合えるけど、普段は仲良く和気あいあいとしているんです。このときもイベントが終わった後は、いつもと変わらない雰囲気だったので安心しました。

──2回目を迎えて、何か変化は感じましたか?

水春 審査員の人数が増えたんですけど、歌やダンスを細かく観てくれる方もいれば、グループのまとまりやメンバーのキャラクターなどに注目する方もいて、それぞれが違う視点で、そこが難しかったです。

川瀬 だからこそ1回目以上に勉強になりました。


──他の事務所のアイドルが参戦したことはどう思いましたか?

桜井 monogatariさんとアプガ(2)さんには「来てくださってありがとう」って気持ちです。スタプラ主催なので、どうしてもスタプラファンの割合が多くなるし、そんなアウェーに来てくださるのがありがたかったですね。

──唯一、第5戦のアメフラっシに負けましたが、獲得ポイント数の点数計算はしていたんですか?

茜 してました。なのでアプガ(2)さんとの第9戦は勝ってうれしかったけど、3点の獲得ポイント数では優勝できないのが分かってたので複雑な気分でした。

水春 お客さんは獲得総ポイント数の最終結果が分かってない方も多いだろうから、僕たちも喜ぶ表情はするけど、負けが分かっていて笑うのは辛かったです。本当は2回目も優勝して「ライブスタイルダンジョン」を卒業したかったんですけどね(笑)。

──先ほどもお話に出ましたが11月16日に初のホールワンマン(日テレらんらんホール)を開催します。実感としては「早く達成できた」「時間がかかった」のどちらですか?

村星 年の初めにホールワンマンを目標に掲げていたんですけど、それが年内に実現したのは信じられなかったです。

茜 もっと早く達成できていたら、自分たちのパフォーマンスが追い付いていなかったでしょうね。なので、ちょうど良いタイミングだと思います。

──最後にホールワンマンの意気込みを聞かせてください。

芹澤 桜エビ~ずの夢だったホールでのワンマンなので、私たちもお客さんと一緒に楽しんで、もっと大きいステージに繋げられるコンサートにしたいです。


川瀬 ファン、家族、スタッフさん、歌とダンスの先生など、今まで応援してくれた方たちに恩返しできるコンサートにしたいです。

茜 桜エビ~ずのオリジナル全29曲をメドレーじゃなくてフルでやるので、まずは体力をつけなきゃいけないなと(笑)。

水春 今までの桜エビ~ずはファンの方に支えられて、ここまで来れたんです。でも、ホールワンマンを機に僕たちがファンを大きな場所に連れて行くような、「この子たちについていけば大丈夫だ」って安心できるようなグループになりたいですね。そしてホールでワンマンをやるのが当たり前になれるように頑張ります。
▽桜エビ~ず
「やっと世間に認められたのかな」桜エビ~ずがライブスタイルダンジョンでつかんだモノ

茜空、芹澤もあ、川瀬あやめ、水春、村星りじゅ、桜井美里による6人組ユニット。2015年に私立恵比寿中学の妹分として結成され、2017年6月にコンセプトを一新。「カッコいいアイドル」を目指して、様々なアーティストから楽曲提供を受けている。

(取材・文/猪口貴裕)
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