【別カット】桜田ひより、「キャストやスタッフたちと全員で丁寧に作り上げた作品」
“高校生の妊娠”がテーマの本作で描かれるのは、妊娠が発覚したことで日常が大きく変わってしまう高校2年生のカップル。主人公・川上福を演じる桜田ひよりに、撮影現場の様子や見どころ、作品を通して伝えたいメッセージなどを語ってもらった。
──現在(取材時)は第8、9話の撮影中ということですが、ここまで作品に参加してみての感想を聞かせてください。
桜田 すごく素敵な作品を作っているという自覚があるので、毎日が楽しいです。それは私だけではなく、スタッフの皆さんももちろん、他のキャストさんも同じように感じていることだと思います。本当に皆さん温かい方ばかりですし、みんなが同じ方向を向いている現場です。重要なシーンも全員野球で集中して撮影し、終わった後には「本当にいいシーンだね」と言って次の日に向かったりして。大変な日ももちろんありますが、楽しみが勝っているのですごく元気です。
──高校生の妊娠というテーマもあって、明るいシーンばかりではないかと思いますが、現場では楽しみながら撮影されているんですね。
桜田 センシティブな内容的でもあるので、もちろんすごく丁寧に作っています。例えば、言葉のニュアンス1つとっても「ここは“かも”じゃなくて、絶対に断定して言いたい」とか、逆に「ここは断定するんじゃなくて“私はそう思っています”としたい」とか。インティマシー・コーディネーターの方にも入っていただきながら、みんなが納得する形で作品を作っているんです。
──これまでに撮影してきた中で、桜田さんが思う注目シーンを教えてください。
桜田 第1の山場が4話での公園のシーンです。自分でもどんな風に映っているか想像がつきませんが、福と宝の新たな感情というか、それまでに経験してきたことのない未知のものに対しての感情が見えるすごく大事なシーンなので、刺さるものがあるんじゃないかなと思っています。
──福を演じる上でどんなことを心掛けましたか。
桜田 福ちゃんは相手からの言葉や行動のボールを受け止めて、すぐに心を動かせる、本当に素敵な女の子なんです。ただ、頭の中で考えているいろいろなことを言葉として表に出すかというと、それは得意ではないので、その1つ1つを考えている時の目線の動きだったり、彼女の中で時が止まっている瞬間だったりを表情で表現するようにしています。
──第1話で福が妊娠に対する不安を親に話せない場面が描かれましたが、思春期の親との関係性について思うところはありますか。
桜田 人それぞれ家族の形は色々あると思いますが、やっぱり言いづらいというのはあると思います。私でもドラマを通して気付かされたことがいくつもあったので、10代の子はもっと、知ってるようで知らないことがすごくたくさんあると思うんです。それを自分から「教えてほしい」ってなかなか言えないですよね。
──女性が不安な時、相手側の男性の対応も重要だと思います。女性視点で、作中の宝の対応で良いなと感じたことは何かありますか。
桜田 宝が福と一緒になって色々と調べてくれたシーンがありますが、それってきっとすごく勇気がいることだったと思うんです。責任を感じたり、思っていても行動に移すことが難しかったりすると思いますが、その点で宝は、男性の行動の選択肢として「こういう行動の取り方もあるんだよ」と提示してくれていたと私は思っています。原作でも宝はすごくスマートで、「こんなことまでしてくれるの」というくらい、完璧な男の子なんですよね。「こういうことをしてくれたらすごく助かるよね」と女性としても思いましたし、男性の方も「一緒になって調べよう」「自分はこういう知識があるから伝えよう」と動けるきっかけになると思うので、女性だけではなく、男性にもぜひ観ていただきたいです。
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取材・文/山田健史