「ミスマガジン2019」の読者特別賞を受賞したことで注目を浴びた、福岡県ご当地アイドル「963」のぴーぴる。グラビアコンテストにも関わらず「喋りで勝負しよう」と思ったという変わり種だが、ここまでの道のりは決して真っすぐではなかった。
そんな彼女のこれまでと、これからの野望とは。
──芸能活動を始めたきっかけは?

ぴーぴる 小5のときに福岡の百貨店で、ワンコインでヘアメイクをしてモデルになれるみたいなイベントがあって、そこでカメラマンさんに声をかけられて今の事務所を紹介してもらいました。芸能活動を始めたのは、その翌年です。

──もともと芸能界に興味はあったんですか?

ぴーぴる 特に何をやりたいってなかったんですけど、とりあえず芸能界に入ってみたい気持ちはありました。ただ親が転勤族で、生まれは熊本なんですけど、福岡、長崎、沖縄、佐世保と住んで、また福岡に戻った時に事務所に入ることになりました。

──ぴーぴるさんはコミュ力が高い印象ですけど、それだけ転々としていると人見知りもしなくなりそうですね。

ぴーぴる そうですね。すぐに溶け込める方だと思います。

──当時、憧れの芸能人はいたんですか?

ぴーぴる 特定の誰かに憧れることはなかったんですけど、幼稚園のときに『オシャレ魔女▽ラブandベリー』(※正式名称は▽部分がハート)っていうゲームが好きで、アイドルっていいなと思いました。

──事務所に入るまで、歌やダンスの経験はあったんですか?

ぴーぴる 全くなかったですし、考えもしなかったですね。ただ佐世保に住んでいたときに、お母さんが市役所で働いていて、その関係で市の広報番組などに出ていました。大人の方と接するのは、そのときに慣れましたね。


──963(くるみ)はぴーぴるさんが加入する前から活動していましたけど、先代の963は今と違ってラップではなく正統的なアイドル曲でしたよね。

ぴーぴる メンバーも前はカッコ良いお姉さんでしたしね。皆さんモデル活動もしていたから背も高かったんですよ。

──ぴーぴるさんは963の前に、369(みるく)というグループにいましたけど、どんなグループだったんですか?

ぴーぴる ごくごく普通の中学生アイドルです。4人組で963の妹分グループだったんですけど、メンバー全員で新生963のオーディションを受けて、それが終わった後に369は解散しました。そのオーディションで落ちた人たちが合わさって新たに「ラフちっく」ってグループを結成して、そのグループも私は一時期、兼任していました。

──初めて経験する歌やダンスレッスンはいかがでしたか?

ぴーぴる 最初の頃は本当に踊れなくてリズム感もなかったんですよ。4人体制の963時代にサポートとしてライブに出たことがあって、それが初ステージだったんですけどボロボロでしたね。

──新生963を結成した時は、どんなユニットにすると言われたんですか。

ぴーぴる 「ゆるラップやるよ~」みたいな感じでした。ヒップホップを聴いたことがなかったので、ラップのイメージも「YO! YO!」と「チェキラー!」ぐらい。頂いた曲はカッコ良いなと思いましたけどね。


──その状態でラップするのは難しかったんじゃないですか?

ぴーぴる 適当な性格なので、すぐに受け入れられました(笑)。

──結成当時、地元・福岡でのライブの反応はいかがでしたか。

ぴーぴる 全然ダメでした。物販を2時間やってCDが1枚売れるかどうかぐらいの状況で、だから東京に行こうって話になったんです。そしたら、メディアで取り上げられるようになって、物販に行列ができるようになりました。

──それは音楽性の良さが伝わったからですか?

ぴーぴる それもありますし、最初に出したPV「夢? 幻? ドロップス」も良かったですし、当時の相方が面白い子でMCも話題になったんですよね。その3つが揃ってガン! って行ったんですけど、初代の子が辞めてから下降しました……。

──その後、963は何度かメンバーチェンジを経て、今のれーゆるさんが5代目の相方ですが、そこに至るまで心が折れることはなかったんですか?

ぴーぴる なかったですね。いつも流れに身を任せています(笑)。れーゆるになって2年近く経つので、今までで一番長い相方です。何があってもへこたれない子なので心強いですね。ちょっと抜けているところもあるけど、運動部だったので肉体もメンタルも強いです。


──2019年からグラビア活動も始めましたが、水着に抵抗はなかったんですか。

ぴーぴる 今でも家だとほぼ裸族なので、水着は全然平気ですし、撮影は楽しいです。

──「ミスマガジン2019」で読者特別賞に選ばれましたけど、どういうところをアピールしようと考えていましたか。

ぴーぴる 私以外の子たちは、顔も可愛いし、スタイルもグラマーだし、そこでは絶対に勝てないので、喋りで勝負しようと思いました。

──グラビアなのにトークで勝負ですか(笑)。

ぴーぴる 審査に関係ないところでも、とりあえず喋り倒そうと。メイクさんにも、「最近学校でこういうことがあって」って、ずーっと喋っていましたからね。ミスマガジンの候補者でAbema TVさんに出させていただいたときも爪痕を残すために喋りまくりました。

──他にエントリーしていた子とも頻繁に話していたんですか?

ぴーぴる そこは一線を引いていました。みんなと仲良くすると、選ばれなかったときにお互い気まずいじゃないですか。だから、この子は受かりそうだなって子とは喋っていました(笑)。

──受賞した子の予想は当たったんですか?

ぴーぴる だいたい目星をつけていた子は賞をもらいました。


──素晴らしい選択眼ですね(笑)。ぴーぴるさんは自信ありました?

ぴーぴる 体型的には難しいかなと思いましたけど、SHOWROOMで1位を獲ったので、何かの賞には入れるかなという期待はありましたね。あれだけAbema TVさんの番組やSHOWROOMを盛り上げたので、私を落としたら良心が痛むだろうなと(笑)。

──最後に2020年の目標は?

ぴーぴる 963ではワンマンライブを開催して大勢の方に観てもらいたいです。個人ではグラビアはもちろん、演技やバラエティなど何でも挑戦して、いろいろな活動をしたいですね。

(取材・文/猪口貴裕)
▽ぴーぴる
2001年7月2日生まれ。福岡県出身。福岡久留米市のローカルアイドル「963(くるみ)」のリーダーとして2015年より活動開始。度重なるメンバーチェンジを経て、2018年4月1日に、れーゆるとの2人組となる。2019年7月、ソロで「ミスマガジン2019」の読者特別賞に選ばれる。好きなアーティストはLiSAとセブチ(SEVENTEEN)。
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