昨年6月に約8年在籍したHKT48を卒業し、本格的に女優業に進出した兒玉遥。3月12日(木)からは舞台『改竄・熱海殺人事件』に挑戦する。
春の風物詩として何度も上演されてきたつかこうへいの代表作に兒玉はどう挑むのか。女優として一段ずつ階段を登る彼女に、舞台への意気込みや、半年経って感じるアイドルと女優の違い、そして今のHKT48への想いを聞いた。(2回連載の1回目)
──本格的に女優業を始めて半年以上が経ちました。今、改めて思うアイドル時代との違いはありますか?

兒玉 アイドルのときは、みんなが求める“はるっぴ”で可愛いくてキラキラしたイメージだったと思いますけど、女優は感情がむき出しだったり、怒ったり、ポジティブな感情だけじゃなく、時には嫌われたり。表現の幅が広げられている実感があるので、楽しいですね。

──普段の生活に変化はありましたか?

兒玉 日常生活を意識して観察するようになりました。例えば鉛筆を取るとか、バッグを持って歩くとか、演技では何気ない動作が一番難しいなって感じました。ナチュラルに演じないと観ている人が不自然さを感じてしまうから。寝る時は、まずはお尻からベッドに着くかな? とか、どうやって布団かけるんだっけ? とかを考えながら。そういえば新たに今日発見したんです! 私、右足から靴を履くと思っていたら、左足から履いていたんです!

──なるほど(笑)。でも、そういうすごく細かいところまで意識していると大変じゃないですか?

兒玉 なので、そういうことをする時間を「意識タイム」って決めていて。意識するときは意識してるけど、何も考えてない時間も多いです(笑)。


──それならよかったです。さて、今回、舞台『改竄・熱海殺人事件』で兒玉さんは主人公のパートナーで婦人警官の水野朋子を演じますが、どんなキャラクターですか?

兒玉 こんな人間がいたらヤバいです(笑)。感情の起伏が激しくて、言葉や動きもすごいんです。舞台だからこそ成り立つキャラクターという感じがありますね。ファンの人からは想像できない私が見られると思います。幅広い演じ方ができないといけない役だと思うので、ハードルが高いですし、でもこれをやりきったら絶対に成長できると思います。女優としてひと皮もふた皮も剥ける作品になるんじゃないかなと思います。

──兒玉さんとしての見せ場は?

兒玉 台本で4ページ以上、一人でしゃべる部分があるんです。回想するシーンなんですけど、その長いセリフをひとりで持たせられるか……。あとは絶対に笑ってもらいたい部分とか、ここだなって思うところにチェックをつけていて、それが10箇所くらいあるんですけど、上手く表現できたらと思います。

──楽しみですね。長いセリフは、どのように覚えるんですか?

兒玉 本番までには覚える自信はあるんですが、それまでが苦難の毎日ですね(笑)。
私の場合はボイスレコーダーに録音をして覚えています。自分のセリフだけ覚えてもダメで。きっかけが分からないとしゃべれないから、他の人のセリフも覚えるようにしています。

後編に続く

▽『改竄・熱海殺人事件』
作:つかこうへい
演出:中屋敷法仁
出演:<ザ・ロンゲストスプリング>荒井敦史、馬場ふみか、佐伯大地、玉城裕規/<モンテカルロ・イリュージョン>多和田任益、兒玉遥、菊池修司、鳥越裕貴

▽公演スケジュール
【東京公演】
場所:紀伊國屋ホール
日程:3月12日(木)~3月30日(月)
【大阪公演】
場所:COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール 
日程:4月4日(土)~4月5日(日)
【福岡公演】
場所:イムズホール
日程:4月11日(土)~4月12日(日)
編集部おすすめ