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【画像】東京女子流の最新シングル『Tokyo Girls Journey』
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──2014年は2月に庄司さんが2代目リーダーに就任という大きな変化を迎えます。初代リーダーの山邊未夢さんからバトンを渡されたことについて、改めて経緯をうかがえればと。
庄司 未夢はすごく真面目で、リーダーとして引っ張っていくという意識が強いゆえに、自分らしさを出しきれず苦しい思いをしていたんですよ。その姿を私たちも見てきたので、なんとかして支えたいなと思っていて。そんな時にリーダーのお話をいただきました。受けたのも、私がリーダーになることで未夢が少しでも楽になれて開放的になったり、それで女子流自体もさらに良い方向に進めばいいなぁ、頑張ろう! という気持ちでした。あとは折角リーダーという役割をいただいたのであれば、何かしら自分自身にも変化があるのでは? という期待もありました。
──リーダーになることで、どんな自分への変化を期待していたのですか?
庄司 この頃もまだ、自分が思っていることを人に言わないタイプで。感情面でも女子流についての自分の気持ちも、メンバーにもスタッフさんにも伝えられずにいたんです。リーダーという、ある意味大きな立場を任せてもらえたら、自分だけの強い気持ちをシッカリ持てるんじゃないかな? と。おかげで少しずつですが、自分の言いたいことを言えるようになってきました。
──そして翌2015年には「アーティスト宣言」という大きな決断をされます。
庄司 この年に女子流も結成5周年を迎えたことで、これまでのことを続けていくことは大事にしながらも、もっと進化・変化をしなくちゃと感じていたんです。今までとは違う環境に身を置くことで、自分たちに足りないものや、見えてこなかったものが見えてくるんじゃないかなって。そこで私たち、スタッフさん全員の「チーム女子流」で「今までにない新しいことをやっていきましょうね!」と話しあった結果、アイドルではなく、アーティスト宣言を出したんです。
──作詞への挑戦など楽曲の幅を大きく広げていき、さらにバンドや男性アーティストのイベントへの積極的な参加など、本当に今までにない領域へと足を踏み入れていった印象がありました。
庄司 そうですね。特にライブに関してはもがきっぱなしでした。今まで女の子が歌って踊るグループのライブを見てこなかったファンの方々に、楽しんでもらうだけじゃなく興味も持ってもらわないといけないわけじゃないですか。そのためにはどうする? って常に考えていたんですよ。今までは曲をバッ! と喋って、MCをして……というお決まりだった流れから、「頭に喋ってみる? この部分で手拍子してみる?」……みたいに、思い浮かんだことはなんでも取り入れていました。そのたびに失敗してはまた挑戦の繰り返し。本当に試行錯誤の毎日でした。
──もがきながらの日々を過ごす中、2016年には4人編成のスタートも切ることになります。
庄司 私たちずっと「誰か1人でも欠けたら女子流の活動は終わる」という意識を持って活動していたんですよ。何よりグループを卒業した(小西)彩乃の魅力的な歌が女子流を支えてきてくれたので、彩乃が抜けたら自分たちにはより大きな試練が待っていることはみんな覚悟していました。けど5年間やってきて、まだ何かを成し遂げたわけではないし、まだここでは終われないという気持ちが強くあったので、これで諦めるという選択肢は全くなくて。4人でこの試練を乗り越える気持ちがあったから、まだ続けていこうという前向きな気持ちになれたんです。今まで以上に女子流のことを考えさせてくれるキッカケを作ってくれました。
──変化の2年間を過ごした後、2017年6月にアーティスト宣言の撤回をされたときは驚きました。
庄司 色んな経験をしてきた結果、何かに縛られるのではなくて「みなさんが見て、感じてくれたままの東京女子流でいたいなぁ」とみんなが思ったんです。そもそも女子流って「私たちは、こういうグループです!」という決まりが昔からなくて(笑)。私たちは何をやっても私たちなので、枠を決めない方がいいね、ならば! ということで“原点回帰”しようとなったんです。
──その、これまで辿ってきた女子流の歩みと“らしさ”が、最新シングル『Tokyo Girls Journey』が凝縮されていますね。
庄司 本当に女子流の様々な魅力を伝えられる1枚になりました。まずリード曲の『薔薇の緊縛』は、たくさんのデモの中から決めて選んで、そこから個々人で曲を聴いて思い描いたことを、ディレクターさんに伝えていって完成した曲なんです。
──同時収録の『Ever After』は、近年の女子流楽曲にはかかせない春ねむりさんによる1曲。こちらも懐かしさと新鮮さを兼ね備えた1曲ですね。
庄司 『Ever After』はこの10年でやってこなかった、囁くような歌い方に初挑戦していて、ダンスも音ハメな仕様になっていると、10年やってきたことにさらに新しい挑戦を上手く加えてミックスした曲になっています。正直、ダンスと歌、双方が合わさって完成する曲なので……。
──ライブDVD付属版を手に取らないと! ですね。
庄司 はい、ぜひとも(笑)! 初めてバンドアレンジした日の『Ever After』が収録されているので、マストで見ていただきたいです。
──ラストの『キミニヲクル』の歌詞はちょうど10年前、走り出したばかりの東京女子流へ向けて、今のみなさんが送った応援歌のように映りました。
庄司 実は10年後の私たちが、今の私たちに向かって歌っているという歌詞なんですよ。けど、その見方もアリかもしれませんね。希望と夢が溢れる未来から、ガムシャラに今を頑張る人たちへ向けた歌詞なので。
──様々な変遷を経て、歩みを止めずに成長を遂げてきた東京女子流だからこそ、歌える曲ですね。
庄司 そうだなぁと思います。今までの女子流の全てが込められていて、これからの女子流の始まりにもなってくれる曲ですね。
──今作のタイトル通りこの先も続いていく女子流の旅。11周年、12周年……と、どんな世界を巡っていきたいですか?
庄司 ただただ、この活動を今まで通り続けていくというよりも、やるからには多くの方の耳に私たちの曲が届いてほしいですし、より多くの方にライブに足を運んでもらいたいという想いを4人全員が思っています。今は一刻も早くライブが出来るような日が来ることを祈りつつ、それまでの時間は私たちができることを探しながら、お会いした方に「女子流、よかった!」と言ってもらえるような活動をこれからもずっと続けていきたいですね。まずはこのシングルが、私たちにとっても、皆さまにとっても、この先の希望と夢が溢れる未来の旅のチケットになればいいなぁと思います。
▽庄司芽生(しょうじめい)
1997年7月2日生まれ、山形県出身。
▽東京女子流『Tokyo Girls Journey (EP)』
発売日:5月5日(火)
価格:[CD +DVD]2,000円、[CD]1,000円