しかし当の本人は「なぜ、こんなに批判されるのか? 僕としては到底納得できません」と憮然とした様子である。そこは炎上タレントとしてさすがとしか言いようがないが、一体、彼の料理脳はどうなっているのか、本人にリモート取材でインタビューを行った。
【写真】見た目からしてあまりにも異次元なクロちゃんの自炊料理
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「これまで僕は『部屋が汚すぎる!』とか『身体が悪いのに、なぜ自炊しないのか?』などと非難され続けてきました。まったく変わらない僕を見て、『クロちゃんは頑固で偏屈だよね』と言ってきた人もいましたし。今回のコロナ騒動では僕もみなさんと同じように自粛生活を送っているわけですけど、一念発起して部屋を片付けて料理を始めることにしたんです。これまではキッチン周りに荷物が散乱していて、自炊どころじゃなかったですから。ところがそこに対しても文句を言ってくるわけですからね。僕からすると、もはや難癖をつけているようにしか思えません」

謎の肉野菜炒めにカップそば。盛りつけにも配慮が一切感じられない

こちらはカップ焼きそばに野菜炒めをプラス。大葉をことさらにアピールする
それにしても驚かされるのはメニューのオリジナリティである。普通、料理の初心者はレシピサイトや本を参考にするものだが、クロちゃんの場合は完全なる独学。しかし、そのユニークすぎる料理にも“原点”は存在するようだ。
「これはキャベツと卵とアルミホイルさえあれば作ることができる優れもの。お金に余裕があるなら、ウインナーを入れるのもアリです。キャベツをザクザク切って炒めたあと、溶いた卵をかけ、最後に蓋代わりのアルミホイルを乗せて軽く蒸す。要するに広島風お好み焼きをイメージしていただければOKです。味付けですか? そんなのは適当ですよ。というか食べるときはおたふくソースをドバドバかけるから、味なんて何だっていい」

広島出身のクロちゃんにとって、おたふくソースは必須アイテム。何にかけてもバッチリ合うと語る

フリーダムな発想のうえに成立するクロちゃん料理。参考文献など一切存在しない
いかにも自炊リテラシーが低い暴論ではあるが、一連の料理はこのメニューが基本形となっている。コロナ禍を機に15年ぶりに包丁を握ったクロちゃんは「俺、意外に料理イケてるじゃん」と根拠なき自信を深め、さらに独自の道を進むようになった。現在、キッチンに立つ際に意識しているのは「誰でも作れるような料理」だという。
「世の中に出ている初心者用の料理メニューって、本当の未経験者からすると、それでもまだ敷居が高いんですよね。その点、“クロちゃんクッキング”は誰だってまったく苦労せずに作れますから。ニーズは確実にあるだろうし、書籍化も視野に入れています。『クロちゃんでも料理できるのか。だったら自分も……』って初心者を勇気づけてあげたいんですよ」

左)「子持ちシシャモ+ゆで卵+コーン+大葉」という珍妙な組み合わせ。栄養バランス的には悪くなさそうだが……
右)クロちゃん流の野菜カレー。野菜をライスの代わりにして、糖質を抑える。「マヨネーズでクロちゃんの顔も書いて出来上がりだしんよー♪」
健康番組に出演するたびに「このままじゃ早死にするぞ!」と警鐘を鳴らされるクロちゃんだが、自炊を始めてから本人の体調は確実に改善したようだ。今回はPCとスマホを使ったリモート取材だったものの、画面越しにも以前より血色がよくなって痩せたことが伝わってくる。
「僕は高血圧なので、タマネギを使うことをモットーにしています。油はオリーブオイルしか使わないですしね。大葉を入れるのにも理由があって、フォロワーから『焦げている』とか『いちいち料理が黒い』とか文句を言われることが多かったんですよ。
ナチュラルにマウントを取ろうとするコメントにはイライラさせられるが、本人はいたって真面目な表情である。さらに驚くべきことには、アイドルグループ・豆柴の大群をプロデュースして歌詞を書き上げたことで自身のクリエーター魂が爆発。それが料理面でも色濃く反映されているのだと力説する。

そばつゆの中にウインナー? 前代未聞の薬味である
「究極的なことを言えば、料理というのは感性。誰かのモノマネをしていても一流にはなれないんです。幸いなことに僕は歌詞もユニークだと褒められることが多いし、料理を作らせても他人とは違う作品がおのずと完成してしまう。結局、どこまで行っても僕はアーティストであり表現者なんですよね。そんな僕が世に出回っている料理本を見て基本を学ぶなんて、まったくのナンセンスだと思いませんか? 本音を言うと、早く大衆が僕のレベルまで追いついてほしいのですが……」

エビチリ、焼きサバ、サンマ缶詰、玄米のワンプレート。
今後は可愛らしいキャラ弁にも挑戦したいと目を輝かせるクロちゃん。今秋にSKE48から卒業する松井珠理奈のマグカップをスープ用の容器として使用したところ、本人から「コップ使ってくれてる!」と喜びのリプが。これでますます料理に対するモチベーションが高まったという。「まだまだ僕の料理道は途中地点。コロナ問題が一段落しても料理は続けます!」と語る言葉に嘘はなさそうだ。
