モデルでありながら、アイドル好きで知られる日笠麗奈が寄稿するコラム。2回目の今回は、日笠が自称する〝KSDD〟の胸の内について、明かしてくれました。
 KSDDの読みは「クソDD」? 「カスDD」? って、よく聞かれます。  正しくは"クソ"だと思うのですが、まぁ、クソでもカスでも決して良い表現ではないですよね。  そんな、あまり美しくない言葉を自らすすんで自称している私(本業:モデル)。だって、そんな悪いことじゃないと思うんだよなぁ。 そもそも、私がアイドル好きになったのは、自身の経歴や過去の出来事が大きく関係しています。  私のデビューはティーン雑誌『nicola』のモデルオーディションに合格したのがきっかけ。いわゆる〝ティーンモデル〟として活動をスタートさせました。  撮影やイベントのお仕事は本当に楽しくて大好きだったのですが、それと同じくらい、なかなか撮影に呼ばれなかったり、コンプレックスに直面して落ち込んだりと、普通の中高生なら味あわなくてもいいような苦悩も経験しました。  振付師の竹中夏海さんも「アイドルを推すとは〝感情移入〟すること」と、雑誌のインタビューなどで話してますが、本当まさにそれ。というか、ティーンモデル時代の経験とリンクする部分が多すぎて、感情移入どころかもはや憑依してるんじゃないかってくらいに、日々アイドルちゃん達のトピックスを自分のことのように一喜一憂してしまいます。(勝手に憑いてんじゃねぇって多方面から怒られそう……ごめんなさい)  そして、そんなティーンモデルを経験するなかで、現段階での私の人生一番の挫折が訪れます。  高校一年生の春、4年間専属だった『nicola』を卒業し、不安を抱えながらもこれからモデルとしてやっていこう……と心に決め、その決意をある信頼していたスタッフの方に打ち明けました。
すると「あなたがモデルとしてやっていくなんて絶対無理だから! 地元で大学でも行ったほうが良いよ!(笑)」というまさかのリアクション……え、え、えええええ。  今でこそネタっぽく話せるようになりましたが、本気で将来について悩んでいた当時の私に、その一言はあまりに残酷でした。というか、今でも全然ネタになんて出来てませんよ。腹立つよ。(笑)ってなんだよ。どれほど悩んで決めた答えか知らないくせに、軽々しく否定とかしないでよ。 「軽々しく否定とかしないでよ」  10年経っても消化しきれない怒りをいきなりここでぶちまけてしまいましたが、でも、この気持ちこそが私をKSDDの道へと突き動かしているんだと思うんです。  私も一応、かつては〝夢見る女の子〟でした。そしてその夢を叶えていくなかでの苦悩や、否定されることの辛さも味わってきました。だからこそ、私は、全ての女の子の夢を、全肯定したいんです。アイドルっていう大変なお仕事をしていれば、ほっといたって悩むし苦しいんだから、ファンである私達くらいは超甘やかしたっていいじゃない。  そう思ったら、アイドルとして頑張っている女の子のことがもう全員愛おしくて、心の底から応援したくて、〝誰でも大好き〟になっちゃって……こうして私はKSDDの道を選ぶこととなったのです。
 単推しの方はもちろん素晴らしいです。尊敬しています。どうかずっとそのままでいて下さい。でも〝アイドルを甘やかす〟という意味では、やっぱり、KSDDもそんなに悪くないと思うんですよねぇ……。 日笠麗奈 (ひかさ・れいなハロオタ出身ももクロ経由のKSDD。 現在は月に10本程度、年間100本ほどのライブに通う。 現場至上主義。接触(握手会など)はちょっと苦手。 クルミクロニクル『Second Spring EP』の帯コメントやライブレポートの執筆、 テレ朝動画のアイドル番組『DD.ディスティネーション』MCなど、KSDDモデルとして活動中。 ■日笠麗奈オフィシャルブログ「れいなぶろぐ」http://ameblo.jp/hikasa-reina/ ■公式twitter http://twitter.com/reina_hikasa ※本業はあくまでモデルです。
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