●モー娘。時代は「本当に濃かった」 当時の映像を見て反省も
昨年9月にデビュー25周年を迎えた歌手・タレントの後藤真希。
音楽活動のみならず、昨年11月に発売した写真集『flos』が大ヒット、さらに紫シャンプー&熱トリートメント「ramus」のプロデュースも手掛けるなど、幅広く活躍している。後藤にインタビューし、これまでの歩みを振り返るとともに、今の仕事に対する思いや今後の抱負を聞いた。

――ここまでの歩みを振り返ってどのように感じていますか?

意外と25年あっという間でした。昔の映像がYouTubeなどですぐ見られるので、そんなに昔に思わないんです。モーニング娘。にいたのは25年のうち最初の3年だけですが、けっこうはっきりいろんなことを覚えていて、当時の気持ちも蘇ってきます。

――モーニング娘。時代の映像を見てどんなことを思いますか?

当時はやることが毎日違って、いろんな経験をさせていただいていたので、もうちょっとここでこうしておけばよかったなとか、そういうことがたくさん出てきます。

――例えばどんな反省点が?

モーニング娘。のレギュラーの番組で最年少司会を務めていたことがあって、司会なのでうまく話して回さないといけないのに、まずカンペの漢字が読めないとか、そういうところで詰まってしまったり、今と違って話すのも苦手だったので、うまく回せなくて、リーダーの裕ちゃん(中澤裕子)はすごいことをやっていたんだなと改めて思いました。

――後藤さんは当時、そんなにしゃべるタイプではなくクールな印象がありましたよね。

しゃべらない=クールに思われがちでしたが、しゃべれなかったんです(笑)。
内弁慶みたいな感じで、家や楽屋ではすごくしゃべるのに、いざカメラが回るとしゅんとおとなしくなってしまって。

――モーニング娘。時代に培ったもので、今でも大切にしていることを教えてください。

モーニング娘。はメンバーがたくさんいるので、ファンの方もそれぞれ推しがあって、自分じゃない推しの人も自分のファンにしてやるぞという勢いで活動していたので、その気持ちは今でも生きているなと思います。

――自分のファンではない方を振り向かせるコツとは?

ライブでとにかく目線を合わせます。「私のこと見てない?」という風になって、「見ていますよ」という感じでさらに視線を送って。そうすると次の公演で私のうちわを持ってくれていたりしました。

――ソロだとご自身のファンが集まってくれていると思いますが、一人ひとりに目線を送って思いと届けるという意味で、モーニング娘。時代の経験が生きているのでしょうか。

そうです。よくライブに来てくださる方には必ずレスを送るようにしていますし、もしかして初めましてかなという方にもレスを送って「見ていますよ」と伝えるようにしています。


――改めてモーニング娘。としての3年間がご自身にとってどんな経験になったかお聞かせください。

本当に濃かったです。目まぐるしすぎていろんなことをやっていましたが、その一つ一つが今に生きていると思うので、本当に自分にとって大事な3年間だったなと思います。いまだに「LOVEマシーン」のときの金髪のイメージを持ってくださっている方も多く、後藤真希というものを作ってもらったというか。オーディションのときになぜか金髪にしたくなったんですよね。今振り返るとインパクトあったなと思います(笑)

●「本当は踊りたくない(笑)」と本音吐露も「ファンの方たちが…」
――幅広く活動されていますが、特にやりがいを感じる瞬間を教えてください。

3月23日に25周年ライブの追加公演が終わったばかりなのですが、ステージに立っているときは楽しくもあり、しんどくもありという感じで、年齢も重ねているので体的になかなかハードなことをやっているんですよね。なので、ステージに立っているときに「しんどい!」と思うこともありますが、ライブ後にファンの皆さんの感想だったり、自分の中で設定していた合格点にいけたなと思うと、やってよかったなと思うので、ライブのやりがいが一番大きいのかなと思います。

――自分の中で合格点を設けているんですね。

ソロになってから、ライブのときもテレビで歌うときも、「自分はここまでできるよね」という合格点を設けてしまって。なので毎回緊張します。


――25周年ライブだとどこを合格点にしていたのでしょうか。

ライブに来てくれた方々がどう思うかというのも含まれているので、ファンの皆さんの感想を見たり、ライブの映像を振り返って、例えば歌のテクニックなど、ここまでできればいいでしょというのがあって、トータルでという感じです。

――その合格点はどんどん高くなっていますか?

次はもっとできるでしょという風になるので、どんどんハードルが上がっている気がします。

――歌手としての今後はどういう風になっていきたいと思い描いていますか?

踊ると歌に集中できないので、本当は踊りたくないんです(笑)。でも、歌って踊る私が見たいとファンの方たちが言うので、少なくとも体が動けるようにしないといけないなと思い、2カ月ぐらい前から筋トレとか自宅でできるトレーニングを始めました。そうしたらライブでファンの子が「前のライブのときよりも脚が引き締まっている」と言ってくれて、「やった!」って。コツコツできることを続けようと思います。

――2カ月前まではあまり運動されてなかったのでしょうか。

全く運動していませんでした。ジムにも行かないし、家でも運動しないし、時間があるときはゲームをしたり、ドラマを見たりしていて(笑)

――2カ月で変化があったということは、これからさらに期待できそうですね。

はい! 自分の進化に期待しています(笑)

――何歳頃まで歌って踊れたらいいなと思いますか?

わからないですけど、歌は何歳になっても歌えるようにしたいなと。年齢が上がっていくと声帯が衰えてキーが出なくなるということもあると思うので、日々ケアしていこうと思います。


――踊りに関してはいかがでしょうか。

小林幸子さん(71)が昨年60周年を迎えられて、「私はまだ25周年か!」と思ったんです。幸子さんは今でも歌を歌っているなと思うと、幸子さんぐらいの年になるまで私もできるよなって(笑)。すごく刺激をもらいました。

●自然体で発信するYouTubeにやりがい「どんどん話すのが好きに」
――以前マイナビニュースで取材させていただいたときに、2008年に事務所をエイベックスさんに移籍したことを転機として挙げられていましたが、それ以降で自身に大きな変化をもたらした出来事がありましたら教えてください。

YouTubeを始めたのは大きかったです。コロナ禍におうち時間でも楽しんでいただけるようにと思って始めて、それまで1人でしゃべったり何か表現するというのがそんなに得意ではなかったのですが、YouTubeをきっかけにどんどん話すのが好きになりました。ライブのMCの時間も、どうしようってなっていたのが、止められなきゃずっと話してしまいそうなぐらいに変わったので、YouTubeも大きな転機になりました。

――食事の動画やゲーム実況など、素顔も楽しめる動画を公開されていますが、発信するやりがいも感じていますか?

そうですね。自然体で発信できるのはすごく楽で楽しいですし、素の自分を見てもらえるというのもうれしいです。

――今後の抱負もお聞かせください。

どのお仕事も一つ一つ自分が納得して取り組んでいけるようにしていきたいなと思います。
若い頃は、決まったお仕事をこなしていくみたいな形でしたが、今は作る段階から打ち合わせをしていて、1から作るということを今後も充実させていきたいです。

――音楽活動に関しても、モーニング娘。時代とは関わり方が違うわけですね。

そうですね。モーニング娘。時代はつんく♂さんプロデュースで曲もセットリストも全部決まっている中でどう表現していくかということを頑張っていましたが、今はセットリストも自分で決めていますし、曲も自分で決めたりしているので、そういった意味で根本的に違うなと。今はすべての責任を背負っているような感覚があります。

――1から作るという意味で、紫シャンプー&熱トリートメント「ramus」のプロデュースもやりがいを感じましたか?

自分が欲しいものを作れるというのは、すごく面白いですし、やりがいを感じます。美容系はいろんなものに興味があるので、今後も何かプロデュースできたらいいなと思っています。

■後藤真希
1985年9月23日生まれ、東京都出身。1999年、当時13歳でモーニング娘。としてデビューし、「ゴマキ」の愛称で大ブレイク。
2002年に卒業し、2007年にはハロー!プロジェクトも卒業。2008年にエイベックスに移籍し、ソロ歌手として活動。2024年にデビュー25周年を記念して13年ぶりの新曲となる「CLAP CLAP」を配信リリースし、25周年記念ライブツアーを開催(2025年3月に追加公演も)。2024年11月に発売した写真集『flos』が、重版を繰り返し10刷を遂げた通常版に加え、特典カット付き電子版も大ヒット。日本における電子写真集歴代売り上げNo.1を記録した(3月7日現在、メディアドゥ調べ)。プロデュースした紫シャンプー&熱トリートメント「ramus」が3月27日から予約販売スタート。
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