今回のテーマは、緊迫化する中東情勢を受けた原油先物市場への介入可能性と、それを受けた日本銀行の金融政策決定会合における利上げ観測の変容という二つの論点です。これらは足元の市場動向を読み解くうえで極めて重要であり、相互に関連しながら為替や資産価格に大きな影響を与えています。
特に直近では、中東情勢に大きな揺り戻しが生じました。先週までの「停戦合意への期待」という楽観的なシナリオは、18日土曜日の夜に報じられたイラン高官による「ホルムズ海峡封鎖」への言及によって崩れました。世界のエネルギー輸送の要衝が封鎖されるリスクが再燃したことで、市場には再び緊張が走っています。
○原油価格の再高騰リスクと市場介入の議論
まず、原油市場の動向を整理しましょう。イスラエル・レバノン間の停戦期待により一時80ドル台前半まで下落していたWTI原油先物は、イランによる強硬姿勢を受けて再び上昇圧力がかかっています。一方で、週明けの反応は2回目の協議への期待感から限定的にとどまっていますが、不透明感は以前より強まっています。
こうした局面で再び浮上するのが、日本政府による原油先物市場への介入議論です。エネルギー価格の乱高下は輸入物価を押し上げ、日本経済に甚大な影響を及ぼします。
結論から述べると、日本には法的に介入を実施できる枠組みが整っています。
外為特会の活用:外国為替資金特別会計法(特別会計法第76条)では、為替市場の安定のため必要な場合、外為特会を使って先物取引を含む金融取引を行うことが定められています。原油先物への適用も、この条文の解釈上可能とされています。
損失処理の仕組み:仮に介入で損失が発生しても、特会内の運用収益で相殺されるのが基本であり、直ちに一般会計(税金)からの補填を必要とするわけではありません。
政治的シグナル:政策当局が「原油価格の安定」を強く意識している事実は重要です。3月、片山財務相らが原油動向や投機的動きに言及し、本邦通貨当局による金融機関への聞き取り調査が行われたこともあります。原油価格がさらに上昇し、国民生活を脅かす局面では、為替介入と並ぶ「物価・市場安定のカード」として、この前例のない介入が現実味を帯びてきます。
○日銀「利上げ期待」の変容とフォワードガイダンスの重要性
次に、日本銀行の金融政策です。中東情勢が緊迫化する前までは、市場では4月あるいは6月の追加利上げが有力視されてきました。しかし、今回のホルムズ海峡を巡る混乱を受け、日銀が早期の利上げに動くハードルは一段と高まったと言わざるを得ません。
背景には以下の二点があります。
○不確実性への配慮
地政学リスクに起因する原油高は「コストプッシュ型インフレ」を加速させますが、同時に景気後退リスクも孕みます。市場が混乱している最中に、さらなる変動要因となる利上げを強行するインセンティブは乏しいのが実情です。
○市場との対話の難化
原油高によるインフレ圧力と、景気下押しリスクが同居する「スタグフレーション」的な懸念がある中で、日銀は慎重な舵取りを迫られています。
そのため、日銀は現在、実際の利上げという「行動」よりも、フォワードガイダンス(将来の指針)を通じた市場コントロールを重視せざるを得ない状況にあります。
具体的には、直ちに利上げを行わない一方で、将来的な利上げの可能性を強く示唆し続けることで、過度な円安を牽制しつつ、市場に利上げ期待を適切に織り込ませる手法です。
○米財務省の人事と国際協調の行方
市場の先行きを占うもう一つの注目点は、対米関係の変化です。米財務省の国際担当財務次官に、パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)のマネジングディレクター兼ポートフォリオマネジャーであるエリン・ブラウン氏が指名される動きがあります。
市場メカニズムを熟知したプロフェッショナルがカウンターパートとなることで、日本の市場介入(為替や原油)に対する米側の理解や、国際協調の質が変わる可能性があります。
特にトランプ政権下では、一方的な介入は批判の対象になりやすいものの、中東情勢の緊迫化という共通課題に対し、原油価格安定のための連携が取れるかどうかが極めて重要な変数となります。日本側としては、米新体制との間で「市場の安定」という大義名分を共有できるかが鍵を握ります。
○まとめ:ビジネスパーソンが注視すべきポイント
総じて、現在の市場は「楽観シナリオの崩壊」を受け、再びリスクオフとインフレ懸念が交錯するフェーズに入っています。週明けの反応が限定的であるのは、あくまで「次回の協議」という一縷の望みに支えられているために過ぎません。
私たちが注視すべきポイントは以下の3点です。
原油価格のボラティリティ:ホルムズ海峡の封鎖が現実味を帯びれば、原油価格は再び100ドルの大台を試す展開もあり得ます。その際、政府が「先物介入」という伝家の宝刀を抜くかどうかに注目が集まります。
日銀の発信力:実際の利上げが難しくなった今、日銀総裁の発言一つひとつの重みが増しています。
国際協調の枠組み:米財務省の新体制との連携がスムーズに行われるか。有事の際のマーケット・スタビリティ(市場の安定)に向けた日米の足並みが、投資家心理を左右します。
投資家やビジネスパーソンにとって、今は「不確実性」を前提とした戦略が求められる時期です。昨日までの楽観が通用しない局面だからこそ、政策当局の発信と地政学ニュースの相互作用を、これまで以上に丁寧に追うことが不可欠です。
藤田行生 SBI FXトレード株式会社 代表取締役社長。神奈川県相模原市出身、中央大学経済学部卒業。改正外為法施行後の1999年から国内黎明期のFX事業において主に外国為替ディーラーとして従事。2008年5月SBIグループでの本格的なFX事業立ち上げのため、SBIリクイディティ・マーケット(株)の設立に尽力。為替ディーリングやシステムなどの責任者を務め、2020年6月SBIリクイディティ・マーケット(株)取締役副社長に就任。その後SBIグループのFX専業会社である、SBI FXトレード(株)代表取締役社長に就任し、現在に至る。 この著者の記事一覧はこちら
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