2週間の中断期間が明け、Jリーグが再開。コンサドーレ札幌は敵地、等々力陸上競技場に乗り込んで第15節の川崎フロンターレ戦を戦った。
鈴木武蔵のシャドー起用
この試合で途中出場を果たしたが、負傷離脱を続けていたアンデルソン・ロペスの穴を埋めるというのは札幌の大きな課題だった。これまでの札幌は荒野拓馬やルーカス・フェルナンデスをシャドーのポジションで起用するなど、多くの試行をおこなった。ただ、荒野では攻撃時に、ルーカスでは守備時に問題が発生し課題は残り続けた。
第15節の札幌は、その課題だったポジションに鈴木武蔵を起用した。これにより、第13節などで見せた攻撃時と守備時でシャドーの枚数を変える守り方は、以前より機能したと言えるだろう。もともとストライカーの選手なので、ポジションの入れ替えを苦にする場面は少なかったように感じる。
ただ、役割という点では変更があってよいかもしれない。相手のセットプレー時など前線に残ったのは鈴木だった。しかし、ボールをキープしきれずに回収される場面は少なくなかった。
ビルドアップをどこに逃がすか
WBを採用する札幌にとって、ビルドアップの逃げ場となるのはボランチに入った荒野、下りてきたチャナティップ、そしてWBとなる。ただ、今日のようにWBが捕まえられ、荒野も苦しい展開では、その逃げ場がチャナティップに限定されてしまう。
考え得る比較的簡単な解決策は2つだ。チャナティップの役割を、より低い位置からのプレーに変えるかジェイ・ボスロイドにロングボールを入れるかだ。ロングボールは川崎のストロングポイントである敵陣でのボール再回収対策にもなるだろう。
攻→守の早さ
この試合では攻撃から守備への切り替えの早さに高い意識を感じた。相手陣地内でのボール保持が巧みな川崎を相手に、陣内にボールを入れられた際になるべく有利な形になるような工夫も見えた。相手陣内でのボール保持→ロスト→素早い再回収の負のスパイラルに嵌らないようにということだろう。
課題は残るが
この試合でも数多くの課題が見えた札幌。
A・ロペスがいないことで、札幌は様々な策を練ることを半ば強要された。ただそれは、チームとしての幅が広がったことも意味する。チームが成長するという意味では、意義のある時間だったはずだ。