2021/22シーズンのプレミアリーグは、マンチェスター・シティとリバプールのタイトル攻防戦や泥沼化したチャンピオンズリーグ(CL)出場権(4位以内)獲得争いなど、見どころ満載だった。
2022/23シーズンも例年通りビッグ6(マンチェスター・シティ、リバプール、チェルシー、トッテナム・ホットスパー、アーセナル、マンチェスター・ユナイテッド)による「六つ巴」が大方の予想ではあるが、その争いに数クラブが割って入る可能性が高いと推測している。
立ちはだかるビッグ6の牙城を崩しに入るチームが現れるという期待も込めて、ここではプレミアリーグのビッグ6以外の5クラブにフォーカスを当て、ここまでの選手補強動向について紐解きたい。

アストン・ビラ
主な獲得選手
- ディエゴ・カルロス(セビージャより完全移籍)
- フェリペ・コウチーニョ(バルセロナより完全移籍)
- バカル・カマラ(マルセイユより完全移籍)
- ロビン・オルセン(ローマより完全移籍)
- ルドビク・アウグスティンソン(セビージャより期限付き移籍)
ビッグクラブたちがこぞって駆け引きを繰り広げている中、スティーブン・ジェラード監督率いるアストン・ビラは素早く行動し多くの選手獲得を実現させた。迅速かつ賢明な選手獲得で、特に守備に重きをおいたニューカマーたちに注目が集まる。また昨シーズン期限付き移籍で加入したフェリペ・コウチーニョの完全移籍を実現させたことも大きな仕事を果たしたと言える。ヨーロッパ戦進出の礎となるか。

ニューカッスル・ユナイテッド
主な獲得選手
- スベン・ボットマン(リールより完全移籍)
- マット・ターゲット(アストン・ビラより完全移籍)
- ニック・ポープ(バーンリーより完全移籍)
サウジアラビア系ファンドと手を組んだニューカッスル・ユナイテッドの巨万の富は、決して無視できるものではなく、様々な選手獲得をここまで繰り広げてきた。ここまでのところ最終ラインと新たな守護神へ資金を傾注しており、盤石な布陣で新シーズンを迎えることができそうだ。強豪クラブを脅かす厄介な存在になりそうだ。

リーズ・ユナイテッド
主な獲得選手
- ブレンデン・アーロンソン(レッドブル・ザルツブルクより完全移籍)
- ラスムス・クリステンセン(レッドブル・ザルツブルクより完全移籍)
- ルイス・シニステラ(フェイエノールトより完全移籍)
- タイラー・アダムズ(ライプツィヒより完全移籍)
カルビン・フィリップスやラフィーニャといったクラブの顔である選手がビッグクラブへ引き抜かれたリーズ・ユナイテッドだったが、そこで得た巨額なマネーを有効に活用した。攻守ともに明確な課題があったリーズは、両面に対してフォーカスを当て、3年目となるプレミアリーグでの戦いに備えている。

ウェストハム・ユナイテッド
主な獲得選手
- ジャンルカ・スカマッカ(サッスオーロより完全移籍)
- ナイーフ・アゲルド(レンヌより完全移籍)
- アルフォンソ・アレオラ(パリ・サンジェルマンより完全移籍)
昨今のウェストハム・ユナイテッドの躍進の秘訣は守備にあったと考える。堅実なセンターバックとミッドフィルダーによって破られにくい組織に成長した。次なる補強ポイントはストライカーである。マイケル・アントニオに一任していたこのポジションに、ジャンルカ・スカマッカを迎えることに成功した。チームへのフィットに時間がかかるかもしれないが、スカマッカの存在感と仕事ぶりは必ずウェストハムの力になることは間違いない。

ノッティンガム・フォレスト
主な獲得選手
- タイウォ・アウォニイ(ウニオン・ベルリンより完全移籍)
- ネコ・シェイ・ウィリアムズ(リバプールより完全移籍)
- ムサ・ニアカテ(マインツより完全移籍)
- ジェシー・リンガード(マンチェスター・ユナイテッドより完全移籍)
- ディーン・ヘンダーソン(マンチェスター・ユナイテッドより期限付き移籍)
昨2021/22シーズンに2部チャンピオンシップのプレーオフを制し、24年ぶりとなるプレミアリーグ進出を果たしたノッティンガム・フォレストは、同じ昇格組(フラム、ボーンマス)の中で最も選手獲得に積極的である。注目の選手はタイウォ・アウォニイだ。昨シーズンにはウニオン・ベルリンで15ゴールを記録し、ノッティンガムの新たな得点源として期待される。さらにはジェシー・リンガードも迎え、神出鬼没なチームになることは間違いないだろう。