MLS(アメリカ・メジャーリーグサッカー)ロサンゼルス・ギャラクシー所属の日本代表DF吉田麻也による「FIFA(国際サッカー連盟)批判」が再び脚光を浴びている。INAC神戸レオネッサの安本卓史代表取締役社長は今月14日、同選手の過去発言をもとに代表ウィークの日程見直しを提言。

なでしこジャパン(女子日本代表)がFIFAワールドカップでの戦いを終えた直後ということもあり、ネット上で反響を呼んでいる。

 吉田は昨年6月、国際プロサッカー選手会(FIFPRO)の会見に出席。日本代表活動による欧州クラブ所属選手の長距離移動について「普通に考えて4年間で地球8周はあり得ない。いつ体が壊れてもおかしくない」とコメント。

 選手会の一員として、代表ウィークの日程見直しを何度も訴えたことを明かした上で「選手側の努力はあるが、FIFAやAFC(アジアサッカー連盟)の努力はみられない。(国際Aマッチの)試合数が多すぎる」と非難していた。

 同様の問題は女子サッカー界にも当てはまる。なでしこジャパンにはMF長谷川唯(マンチェスター・シティWFC)をはじめ欧州でプレーする選手が多くいる。また普段はWEリーグ(日本女子プロサッカーリーグ)でプレーする選手も、ニュージーランド・オーストラリア開催のW杯出場で長距離移動を余儀なくされた。

 くわえて2023/24シーズンのWEリーグは今月26日に開幕。W杯準々決勝・スウェーデン戦の2週間後であり、代表選手は十分な休養をとらないままシーズンに臨むことになる。それだけに安本社長も吉田の切実な訴えに賛同。

自身のX(旧ツイッター)で吉田の発言を引用した上で、以下のように綴っている。

 「これは女子サッカーにも適用を強く要望したい件。IMD(国際マッチデー)が多過ぎて、WEリーグはモロに影響を受けている。JFAも交渉しているとは思うが日本人の何でもOKと応じてしまう気質が選手に重く負担をかけている」

 「但し、その期間は既にカップ戦が始まっており、その後はアジア大会、五輪予選と続くため、リーグ戦開幕まではベストメンバーを組むのは極めて困難な状況。選手はサッカーゲームのプレーヤーでは無いため、疲労は蓄積する一方です」

 「その機会をチャンスと変える選手も出て来て欲しいと考える一方でリーグ戦のカレンダーが一番と考えるWEリーグであってもらいたいと思うのは私だけでは無いはず。プレーヤーファースト、ファンファーストの実現はまだまだ厳しい道のりです」

 なおINAC神戸からはGK山下杏也加、DF三宅史織、DF守屋都弥、FW田中美南の4選手がW杯に参戦。

安本社長は「弊クラブはW杯帰国後、選手に14日間のオフを取ります」と、クラブの方針もファン・サポーターにむけて発信している。