2023明治安田生命J1リーグは第29節までを終え、各チーム残すは5試合となった。ここでは、J1全18クラブの9月の月間成績(勝敗、勝ち点、得失点差、総得点)からトップ5・ワースト5のクラブをまとめてみよう。
8月にトップ5入りした2クラブが、9月ではワースト5入りと、好不調の波が大きい様子。なお、成績は10月1日に開催されたFC東京対ガンバ大阪を含めた全第29節終了時点となる。
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トップ5:アルビレックス新潟
9月の成績:2勝2分・勝ち点8・得失点差+3・総得点8
第29節終了時点で11位のアルビレックス新潟には、9月に行われた4試合すべてに共通点があった。第26節浦和レッズ戦(1-1)ではFW小見洋太、第27節ガンバ大阪戦(1-1)ではMF三戸舜介、第28節横浜FC戦(3-1)ではMF高宇洋、第29節川崎フロンターレ戦(3-2)ではFW太田修介と、いれずれも途中出場の選手が80分以降に得点を挙げて負けなしとしている。4試合すべてでボール支配率において優位に立ち、途中出場の選手が日替わりヒーローとなった。

トップ4:ヴィッセル神戸
9月の成績:3勝1敗・勝ち点9・得失点差+2・総得点5
第29節終了時点で首位につけるヴィッセル神戸は、9月も安定した成績を残した。第27節サンフレッチェ広島戦こそ0-2で敗れたものの、その他の3試合は守備が安定。なかでも第29節横浜F・マリノスとの首位攻防戦に2-0で勝利したことは大きい。シーズン残り5試合にして2位との勝ち点差は4。リーグ制覇に向けて、視界は良好だ。

トップ3:柏レイソル
9月の成績:3勝1敗・勝ち点9・得失点差+2・総得点7
残留争いに巻き込まれていた柏レイソルだが、9月に勝ち点を積み上げ1歩抜け出すことに成功。第29節終了時点で16位に浮上した。FW細谷真大は4戦3発と好調をキープ。第27節では横浜FCとの残留争い直接対決も2-1で制している。井原正巳監督は守備の安定性に定評があり、残留達成は手の届くところまで迫っていると言えよう。

トップ2:サンフレッチェ広島
9月の成績:3勝1敗・勝ち点9・得失点差+5・総得点7
攻守ともに安定感のあるサンフレッチェ広島は、第29節終了時点で5位につける。9月に勝利した3試合はいずれも複数得点差。唯一敗れた第28節京都サンガ戦(0-1)も内容では劣っておらず、攻守に充実した内容を見せている。夏の移籍市場でセレッソ大阪から加わったFW加藤陸次樹が4試合2得点と欠かせない戦力となっており、さらに順位を上げる可能性も十分だ。

トップ1:アビスパ福岡
9月の成績:3勝1分・勝ち点10・得失点差+4・総得点6
9月の月間成績が最も良かったのは、第29節終了時点で8位につけるアビスパ福岡。ルヴァン杯準々決勝の2試合を挟みながらも着実に勝ち点を重ね、持ち前の守備はリーグ戦4試合で2失点と安定していた。10月は天皇杯、ルヴァン杯、さらにリーグ戦では上位チームと多く対戦する過密日程を控え、長谷部茂利監督の手腕が試される。

ワースト5:横浜F・マリノス
9月の成績:1勝1分2敗・得失点差-3・総得点3
意外にも、優勝争いを演じる現時点2位の横浜F・マリノスの成績が思わしくない。8月の最終戦、第25節横浜FC戦との横浜ダービーで先制しながら1-4と逆転負けを喫したことがきっかけか、9月に入っても勝ちきれない試合が増加。ルヴァン杯では準決勝に進出したものの、リーグ戦では第29節ヴィッセル神戸との6ポイントゲームに0-2で敗れるなど、優勝争いから一歩後退する悔しい1か月となった。

ワースト4:セレッソ大阪
9月の成績:1勝3敗・勝ち点3・得失点差-1・総得点3
8月の月間成績ではトップ3にランクインしたセレッソ大阪が、9月はワースト4に。第27節からは無得点での3連敗中で、順位を7位まで落としている。上位を争う鹿島アントラーズとヴィッセル神戸には0-1の僅差で敗れ、残留を争う湘南ベルマーレには終盤にセットプレーから先制を許して敗北する(0-2)など、勝負強さに欠ける一面が見える月間となった。

ワースト3:横浜FC
9月の成績:2分2敗・勝ち点2・得失点差-3・総得点4
第29節終了時点最下位(18位)で残留を争う横浜FC。第26節名古屋グランパス戦(1-1)、第29節浦和レッズ(1-1)と、上位チームとのアウェー試合での引き分けは悪くない。痛恨だったのは第27節、残留を争う柏レイソルとの6ポイントゲームを1-2で落としてしまったことだ。

ワースト2:名古屋グランパス
9月の成績:2分2敗・勝ち点2・得失点差-3・総得点3
第29節終了時点で6位の名古屋グランパスは、得点力不足に悩む。リーグ戦では7月8日に開催された第20節以降、9試合連続で複数得点を挙げられていない。現在6戦未勝利と勝てない時期が続く。9月の4試合はいずれも相手よりシュート数が少なく、シュートチャンスの構築とFWキャスパー・ユンカー以外の得点源創出が必要だ。

ワースト1:ガンバ大阪
9月の成績:1分3敗・勝ち点1・得失点差-9・総得点2
9月の月間成績ワースト1は、8月はトップ4で好調だったガンバ大阪。第29節終了時点で13位となった。第26節北海道コンサドーレ札幌戦で0-4で敗れると、第28節浦和レッズ戦では同点で数的優位に立つもそこから2失点して敗戦(1-3)。第29節FC東京戦でも0-3の完敗を喫し、9月の4試合で11失点と守備が安定しない。札幌、湘南と並んでリーグ最多失点タイとなった守備陣の整備は急務だ。