J2リーグ4位の清水エスパルスは今月2日に行われたJ1昇格プレーオフ決勝で、3位東京ヴェルディに1-1と引き分けてJ1昇格を逃した。この試合では、清水所属DF高橋祐治の東京V所属FW染野唯月に対するファウルを巡り議論が白熱。

清水所属MF乾貴士が高橋のプレーに苦言を呈した中、日本代表OBの駒野友一氏や藤本淳吾氏が持論を述べている。

 ファン・サポーターの間で話題となったのは、後半アディショナルタイム90+3分のシーン。東京Vは自陣右サイドでボールを奪うと、MF中原輝の浮き球のパスが染野へ渡る。そして染野がドリブルで右サイドからペナルティエリアに侵入した瞬間、高橋がスライディングタックル。高橋の右足が先にボールに触れたが、染野を倒したとして池内明彦主審は東京VにPKを与えた。このPKを染野がゴールマウス右側に決めると、東京Vは清水の反撃を振り切りた。

 このPKを献上したシーンでは、すでに途中交代していた乾がベンチでペットボトルやスパイクを投げつけるなど不満を爆発。試合後には「あの場面で滑る必要はなかった。前の選手たちも、もっと点を取るチャンスがあったので、自分たちが点を取っていれば、ああいうのがあっても勝てた。自分たちも悪いけど、ああいうところで滑って無駄なファウルをしてしまうところは、反省しないといけない」と、高橋に厳しいメッセージを送っていた。

 それだけに、この事象はDAZN制作番組『Jリーグジャッジリプレイ』でも話題に。駒野氏は「ゴールに向かっていないドリブルなので、(高橋は)ここで無理していくことは無かったのかなと。

ただ高橋としては、ここでボールを奪って、もう一度チームに勢いをつけたかったのかなと思う」と、スライディングというプレー選択に疑問を抱きつつも、一定の理解を示している。

 また攻撃的MFとして活躍していた藤本氏は「オフェンス側からしたら、ファウルを貰いに行く場面でもある。それでファウルをとってくれたら、ラッキーという感覚」とした上で、「ファウルを貰う直前、ボールを守るためなのか(相手に向けて)左足を出しているかもしれない。左足を出す気持ちも分かる」と、染野のプレーに着目。

 これには駒野氏も「染野がどのような考えで左足を出したのか、という点も考慮しないといけない。そもそも左足を出してボールコントロールできたかと言われたら分からない。

軸足が着いた時、身体からボールが離れているので、ファウルではないのかなというのもある」と、判定基準のポイントとして左足を出したプレーの意図を挙げている。