2月23日にサンフレッチェ広島VS浦和レッズというカードで幕を開ける2024明治安田J1リーグ。12月8日の最終節まで、全20クラブがそれぞれの目標に向かってしのぎを削る。
ここでは今季J1リーグで戦う20クラブを監督、ゴールキーパーとディフェンダ―(GKDF)、ミッドフィルダー(MF)、フォワード(FW)、クラブとしての継続性の5項目に分け、それぞれ10点満点(計50点満点)で採点しランキング。同点の場合は個が勝るケースが多いため、選手であるGKDF、MF、FWの点数を優先している。
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15位:柏レイソル
計34点
- 監督:6点
- GKDF:7点
- MF:7点
- FW:7点
- 継続性:7点
2023シーズンは17位で辛くもJ1残留を果たした柏レイソル。昨季途中から指揮を執った井原正巳監督が続投となったがJ1での実績は乏しい。
昨夏の移籍市場で浦和レッズから期限付きで加入していたDF犬飼智也が完全移籍に移行。昨季の後半戦における犬飼加入の効果は絶大で、開幕から所属している状態で新シーズンを迎えられることは喜ばしい。
一方、主力ではMF椎橋慧也とMF山田康太が移籍となった。とはいえ、このチームはFW細谷真大とMFマテウス・サヴィオの存在が絶大なうえ、DF古賀太陽とMF高嶺朋樹らがいれば大崩れはないだろう。前線にはFW木下康介も加わり、新たなパターンの構築も進みそうだ。
14位:町田ゼルビア
計34点
- 監督:7点
- GKDF:7点
- MF:7点
- FW:7点
- 継続性:6点
長きにわたり青森山田高等学校サッカー部を率いていた黒田剛氏を監督に招き、見事クラブ初のJ1昇格を達成した町田ゼルビア。今回の移籍市場では12人が退団、19人が新加入と大幅に選手を入れ替え、J1仕様へのバージョンアップを図った。
FWエリキやFW藤尾翔太、DFチャン・ミンギュなど主力級のほとんどを残しつつ、ガンバ大阪からGK谷晃生、鹿島アントラーズからDF昌子源、柏レイソルからMF仙頭啓矢など実績ある選手たちを加えたため戦力は確実にアップした。
昨季同様に守備を安定させられれば、J1残留は十分に可能だろう。ただし、指揮官にとってもクラブにとってもJ1の舞台は初めて。
13位:北海道コンサドーレ札幌
計36点
- 監督:7点
- GKDF:5点
- MF:7点
- FW:7点
- 継続性:10点
得点・失点ともに多い傾向が続く北海道コンサドーレ札幌。ミハイロ・ペトロヴィッチ監督体制は7年目を迎え、その傾向は2024シーズンも続くことだろう。とはいえクラブの方向性は盤石で、DF田中駿汰やFW小柏剛の移籍は痛手であるものの、即座に補強を敢行している。
今季も守備の中心を担うであろうDF岡村大八に加え、ガンバ大阪からDF髙尾瑠、いわきFCからDF家泉怜依を迎えており、守備がある程度安定すれば大きな問題は発生しないはずだ。
攻撃は昨季12得点のFW浅野雄也や7得点のMFスパチョークらが健在で、2019シーズンに13得点を挙げた古巣に復帰したFW鈴木武蔵(ガンバ大阪より期限付きで移籍)が当時と同様のプレーを見せられればチームの得点数は保証される。
12位:サガン鳥栖
計36点
- 監督:7点
- GKDF:7点
- MF:7点
- FW:6点
- 継続性:9点
地方クラブを意味する「プロヴィンチャ」として、独自の姿勢を貫くサガン鳥栖。毎年のように主力数人が抜けながらも、質の高い下部組織と「個性あるサッカーを展開するJ1定着クラブ」という魅力であまり戦力を落とすことなく戦い続けている。
2024シーズンも同様、FW小野裕二(アルビレックス新潟)やFW岩崎悠人(アビスパ福岡)は移籍したが、セレッソ大阪からMF中原輝、FC東京からDF木村誠二などレギュラー候補を獲得している。
新外国籍選手のうち、韓国の蔚山現代FCからベガルタ仙台に期限付き移籍していたDFキム・テヒョンと横浜FCから迎えたFWマルセロ・ヒアン、FC今治から移籍のFWヴィニシウス・アラウージョは、Jクラブからの獲得ということもあり「計算できる」選手が増えた。昨季何度も浴びたカウンターに対して、どれほどの対策を用意できるかが順位を左右しそうだ。
11位:鹿島アントラーズ
計36点
- 監督:6点
- GKDF:8点
- MF:8点
- FW:8点
- 継続性:6点
新シーズンに向け、岩政大樹氏からランコ・ポポヴィッチ氏へと監督が交代した鹿島アントラーズ。主力の維持はおおむねできたものの、DF広瀬陸斗(ヴィッセル神戸)やDF昌子源(FC町田ゼルビア)、MFディエゴ・ピトゥカ(サントス)などがチームを離れ、層の薄さは否めない。
新加入選手では、アルゼンチンのCAタジェレスから迎えたMFギリェルメ・パレジや関西学院大学から加入のDF濃野公人が高い評価を受けているようで、どれほど主力に割って入れるか楽しみだ。
GK早川友基、DF植田直通、MF佐野海舟、FW鈴木優磨ら主力はハイクオリティの選手が揃っており、上位に入る可能性もある。ただ、近年はクラブとして継続性に乏しく、一貫した強化策が感じられないのは気になるところだ。