22日の日経平均は反発。96.27円高の28804.85円(出来高概算10億5000万株)で取引を終えた。
朝方は売りが先行して始まったものの、75日線が支持線として意識されるなか、その後はリバウンドに流れに。さらに、中国メディアが「中国不動産大手、中国恒大集団がドル建て債の利払いを実施した」と伝わると、中国不動産業界の債務問題への警戒感がひとまず和らぐ格好となり、日経平均は一時28989.50円まで上昇。ただし、29000円は回復できず、次第に週末の持ち高調整の動きから、こう着感の強い展開に。

東証1部の騰落銘柄は、値下がり銘柄数が1100を超え、全体の過半数を占めた。セクター別では、精密機器、機械、電気機器、海運など10業種が上昇。一方、非鉄金属、鉱業、鉄鋼、証券・商品先物など23業種が下落した。
指数インパクトの大きいところでは、東エレク、アドバンテス、ソフトバンクG、エムスリー、ダイキンがしっかりだった半面、ファーストリテ、KDDI、電通グループ、中外薬、リクルートHDが軟調だった。

インテルは10-12月期の売上高見通しが市場予想に届かなかったとして、時間外取引で下落したことから、売り優勢の展開だった。ただし、米長期金利が上昇する中でSOX指数は上昇するなど、業績への期待感の方が勝っていた。これを受けて東エレクやアドバンテスなど半導体関連株に値を上げる銘柄が目立っていたが、前場中盤に、中国恒大の利払い実施報道を受けて、投資マインドが幾分改善。昨日の商いに対するリバランスの動きが一段と強まる格好に。

日経平均はひとまず反発したものの、心理的な節目である29000円台回復には至らなかった。
中国恒大の債務問題は年内まで続くうえ、総選挙を受けた国内政府の動向も気がかり材料。また来週から本格化する国内主要企業の決算の内容を確認したいと考える向きが多く、積極的に上値を買い上がる雰囲気にはつながっていない。このため、全体の方向性よりも、個別の企業業績に対する関心が集まりやすいだろう。