個別では、マザーズ時価総額上位のメルカリが週間で9.4%安、ビジョナルが同10.8%安、フリーが同13.0%安と軒並み大きく下落。売買代金上位ではFRONTEOが売りに押され、好需給で賑わっていた11~12月上場のエフ・コードやサイエンスアーツはきつい下げとなった。
来週の新興市場では、新興IT株中心のマザーズにとって厳しい環境が続きそうだ。今週末の米国市場ではハイテク株に押し目買いが入る一方、金利は幅広い年限で上昇した。FRBがインフレ抑制のため金融引き締めへ傾く姿勢を鮮明にしているだけに、名目金利から期待インフレ率を差し引いた実質金利の上昇は続くとみられる。これは新興IT株のような高バリュエーション銘柄の割高感を強めるだけでなく、信用買い残の多いマザーズ銘柄ではレバレッジ縮小によるマイナス影響も大きいだろう。
市場環境こそ厳しいが業績好調な新興企業は少なくなく、今週末発表された決算でもEnjinやグッドパッチが好感されているようだ。しかし、決算に対する新興株の反応を見ると、高バリュエーションが許容されるためのハードルは非常に高い印象を受ける。今月下旬からの10-12月期決算発表でも注意する必要がありそうだ。また、12月上場のHYUGA PRIMARY CAREは早々に一部証券会社の投資判断付与が観測されている。
IPO関連では、Recovery Internationalを皮切りに2月上旬の上場案件が順次ブックビルディング(BB)期間に入る。件数こそ多くないが、新興株への逆風が強まっているさなかとあって、仮条件の水準や需給状況を注視しておきたい。