10日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:売り一巡後の底堅さを見極め、物色は決算を手掛かりとした個別対応に
■日産自、23/3上方修正 営業利益3600億円←2500億円
■前場の注目材料:日本製紙、印刷・情報系用紙生産拠点を集約、秋田工場撤退、30年度めど3カ所に

■売り一巡後の底堅さを見極め、物色は決算を手掛かりとした個別対応に

10日の日本株市場は、売り優勢の相場展開ながら、底堅さが見られそうだ。
9日の米国市場ではNYダウが646ドル安だった。中間選挙で下院での共和党勝利の勢いが期待された程ではなく、想定されたほどねじれ議会にならないとの見方から、利益確定の動きが優勢となった。また、10日に発表予定の10月の米消費者物価指数(CPI)を控えていることもクローズの動きに向かわせたほか、暗号資産(仮想通貨)の下落による金融市場への影響なども警戒された。シカゴ日経225先物清算値は大阪比130円安の27520円。円相場は1ドル146円40銭台で推移している。

シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、売り先行で始まることになろう。
ただし、米CPIの発表を控えるなか、米中間選挙後のクローズの動きはある程度想定されていた動きであろう。昨日の東京市場においても日経平均は寄り付き直後の27926.52円を高値に軟調推移が続いていた。28000円を捉えることができなかったが、足元のリバウンドによって短期的には過熱感も警戒されてきたため、想定内の一服だった。本日は支持線として意識される5日、75日線での底堅さを見せられるかが注目されるが、同線を下回ったとしても心理的な支持線である27500円辺りでは押し目狙いの動きも入りそうだ。また、一目均衡表では雲上限が27420円辺りに位置しており、サポートとして意識されやすい。

朝方はショートを仕掛けてくる動きも入りやすいだろうが、売り一巡後の底堅さが見られる局面においては、短期的ながらもリバウンド狙いになろう。
物色としては引き続き決算を手掛かりとした物色のほか、新型コロナウイルス感染症の第8波が警戒されてきており、感染予防やPCR検査に関連した銘柄への物色も意識されそうだ。なお、昨日引け後の決算では、LIFULL<2120>、サイバー・バズ<7069>、タナベコンサルティングG<9644>、共立メンテ<9616>、三井金<5706>、クレハ<4023>、日空ビル<9706>、鴻池運輸<9025>、リゾートトラ<4681>、サトーHD<6287>、フジクラ<5803>、ホシザキ<6465>辺りの動向が注目されそうだ。

■日産自、23/3上方修正 営業利益3600億円←2500億円

日産自<7201>は2023年3月期業績予想の修正を発表。売上高は10兆円から10兆9000億円、営業利益を2500億円から3600億円に上方修正した。今期の想定為替レートは1ドル135円(従来予想は120円)と円安方向に見直した。一方、半導体不足などにより生産回復が想定より遅れているとして、今期の世界販売台数を従来予想の400万台から370万台に引き下げた。


■前場の注目材料

・1ドル=146.30-40円
・米国景気は拡大
・日銀は金融緩和を継続
・コロナ後の人流再開

・日本製紙<3863>印刷・情報系用紙生産拠点を集約、秋田工場撤退、30年度めど3カ所に
・扶桑化学<4368>ウエハー研磨用シリカを増産、200億円投資
・7&iHD<3382>そごう・西武を米ファンドに売却、2000億円超
東芝<6502>スポンサー選び大詰め、非公開化、モノ言う株主と決別
・大同メタル<7245>EV向けダイカスト拡充、充電器用部品など追加
・グローセル<9995>協働ロボ向けトルクセンサーを来年度量産、衝突で停止、安全性向上
富士通<6702>DC点検を自動化、ローカル5G活用、来月実証
・ライオン<4912>「お口の衰え、訓練で防ぐ」、シニア向けプログラムを年内提供
・花王<4452>花王・キリンHD、内蔵脂肪と免疫の関連を共同研究
・住友精化<4008>SAP増産、アジア地域に190億円投資
・日東紡<3110>飲料子会社をライフドリンクに売却、経営資源最適化
・ダイセル<4202>エッチング液から基板守る独自液剤、樹脂「ナノひっつき虫」で保護膜

☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・08:50 10月マネーストックM3(前年比予想:+2.8%、9月:+2.9%)

<海外>
・10:00 カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁討論会参加