L is B<145A>は、現場の課題を解決するデジタルサービスとして、2014年10月に現場向けビジネスチャット「direct」をリリースした。その後は「direct」と連携して稼働するサービスの拡充に努めている。
1. 現場のビジネスチャット「direct」
現場で利用されるITツールとして開発された「direct」は、リリース以来、顧客から寄せられる要望に基づき、定期的な機能追加や新バージョンの提供などにより、継続的に進化している。「direct」は業務連絡・報告といったコミュニケーションを円滑に行うために、業務に携わるすべての人が使いこなせる必要があるため、スマートフォンを操作できる人であれば直感的に操作できるユーザーインターフェースを指向して開発している。
2. 連携ソリューション
(1) direct Apps
2022年4月、「direct」と連携するアプリケーション群として「direct Apps」のサービスを開始した。初期アプリとして、タスク管理、掲示板、スケジュール管理の3アプリをリリースし、2023年3月には日程調整のためのアプリ「トリスケ」をリリースした。各アプリにおいて情報を更新すると、「direct」にチャットとして通知され、現場の業務連絡の円滑化を実現している。
(2) direct Smart Working Solution
「SWS」とは、「direct」とチャットボットの技術を活用した、従業員の長時間労働の是正を支援するサービスである。働き方改革関連法に対応するため、企業は限られた時間で成果を上げる仕組みづくりが求められる。「SWS」は、残業実態を見える化し、一人ひとりの勤怠を適切に管理・運用することをサポートする。
(3) AI-FAQボット
「AI-FAQボット」は、チャットボットと会話して、必要な回答を必要な時に手に入れるAI活用によるFAQソリューションである。よくある問い合わせや、時間外の問い合わせに対して、チャットボットが対応することにより、問い合わせを受ける側の業務負担を軽減し、問い合わせを発する側の顧客または従業員の満足度の向上を目指している。
(4) タグショット/タグアルバム
2023年6月、現場向け写真管理サービスとして、「タグショット/タグアルバム」をリリースした。タグを付けて写真や動画を撮影するだけで、クラウド上でデータを分類・保存できる現場向けカメラアプリである。現場に関わるすべての人とリアルタイムでデータを共有でき、保存した写真や動画を探す手間を削減し、現場の業務効率化を実現している。
(5) ナレッジ動画
「仕事は視て覚える」をコンセプトとし、現場のナレッジ(知識)やノウハウ(技術)を動画で共有するためのサービスである。動画編集の手間は不要であり、動画ごとに閲覧できるユーザーを設定することが可能なため、手軽に、かつ安全に動画共有を行うことができる。
(6) チャットボットソリューション
「direct」をもっと便利に、業務を自動化するためのツールとして、「direct」上で稼働するbotを提供する「direct bot RENTAL(ダイレクトボットレンタル)」及び「daab(ダーブ)」を運営している。「direct bot RENTAL」は、現場の報告、連絡、事務作業を自動化するためのボットのレンタルサービスで、利用者は「現場報告ボット」「翻訳ボット」「熱中症予防チェックボット」といったボットをすぐに利用できる。「daab」は、「direct agent assist bot(ダイレクト エージェント アシスト ボット)」の略称であり、チャットボット開発環境「daab SDK」を公開することにより、「direct」の利用者自身が開発できる開発環境を提供している。
(7) DXコンサルティング
「direct」の利用顧客から寄せられるDXによる業務効率化の要望・相談に対して、コンサルティングや「direct」等と連携したオリジナルソリューションの設計・開発という形でサービス提供する。具体的には、災害時の速報・連絡、資材やコンクリートの発注、現場の出面※管理、CO2排出量記録、現場で利用される機器の貸出管理、生成AIを活用した業務自動化等の要望に対し、「direct」と連携したシステムの設計・開発を行い、顧客に提供している。
※ 建設工事現場で働く人員の入退場を管理すること。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)