とても鮮やかな赤い色が特徴的な、中深海に棲む魚・キチジをご存知ですか?

魚料理店では、キンキの名前で煮付けや塩焼きが用意されているところが多いです。

そんなキチジの特徴や習性・釣り方・食べ方について、詳しくご紹介しましょう。

キチジとは

キチジとは、スズキ目キチジ科に属している海水魚のことです。

北海道地方では、キンキと呼ばれていて、かなり広範囲で使われる呼び名になってきました。

関西の料亭で注文しても、キチジではなくキンキと呼ばれていた記憶があります。

キチジの体長は、孵化して2年ほどで約12cmぐらいに、4年で約18cmぐらいにまで大きくなります。

最大サイズで、全長30cmを少し超えるぐらいでしょうか。

巨大化する魚ではなく、体型は卵が少し長くなったような外観です。

キチジの頭部には、トゲが突き出しています。



目玉と口は、とても大きく、上アゴの後端は目玉の下にまで達しています。

胸ビレの後縁に切れ込みがあって、体色は全身が赤色です。

背ビレのトゲの部分に、黒斑があるのが特徴です。

胸ビレの面積は大きく、斧のような形状になっています。

キチジは、キンメダイと混同されることがありますが、全くの別種です。

キチジの生息域は、静岡県の駿河湾より北側の東北地方や北海道地方の太平洋側に分布しています。


日本海側には生息していないので、ノドグロ=アカムツとは異なる生息域です。

キチジは、水深150mから1500mの大陸ダナ斜面に棲んでいて、中でも水深約200mから600m程度の岩礁帯に定着していることが多いです。

若魚は浅い層に、老魚は深い層に集まる傾向があり、大きな回遊はしない習性を持っています。

キチジの幼魚は、オキアミ類を捕食していて、成長するとエビやカニなどの甲殻類を食べています。

イカなどを食べることもあります。

産卵の時期は、毎年2月から5月ぐらいに実施されます。


以前には漁獲されると蒲鉾の原料になっていましたが、現在はスーパーなどで並ぶこともほとんどなくなりました。

それほど希少な中深海魚で、市場ではとても高価な値段で取引されています。

キロ当たり1万円前後の取引になるのではないでしょうか。

秋から冬にかけて、脂の乗りが良くなります。

とはいえ春から夏に食べても、とても美味しい魚であるのは間違いありません。

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出典:魚図鑑

キチジの釣り方を知りたい!

キチジの釣り方は、エサ釣りなら胴付き仕掛けや天秤仕掛けを用います。

一文字天秤や十文字天秤といった、特殊な天秤を使うことで知られていて、エサにはサバ・サンマの切り身を付けます。



ただし、枝バリが8本程度も並ぶので、初心者アングラーにとってはハードルの高い釣り方といえそうです。

ルアー釣りなら、メタルジグをバーチカルにシャクる、スロージギングで釣ることができます。

ロッドは2.5m前後のものが扱いやすく、リールはベイトリールにして、PEラインの1.5号クラスを600mは巻いておく必要があります。

底ベタに仕掛けやメタルジグを着けてしまうと、キチジは食い付いてきませんから、少し底を切った状態で誘いをかけます。

これがなかなか難しく、乗合船の船長さんの腕の見せどころかもしれません。

しっかりとレクチャーを聞きながら、仕掛けやメタルジグの位置を把握し、誘ってみてください。

キチジの食べ方をチェック!

キチジの食べ方も詳しく知っておきましょう。

その身は、脂の乗りが良好で、甘味を伴なう白身です。

とても柔らかくて、小骨は少なめ。

食べやすい魚で、皮目がとても美しいのが特徴です。

皮と身の間に旨味があり、皮を引かずに食べると絶品の美味しさでしょう。

煮付けや塩焼き・干物にしても美味しく、鍋や汁物にも合います。

キチジを焼く際には、大きく開いた状態で、皮に焼き目が付くまで火を通すのがベターです。



あまり大きなサイズの魚ではないので、箸で取れる身もさほど多くはありません。

ひと口つまむと、口の中に甘味が広がっていく食感を、ぜひ堪能してみましょう。

キンキ=キチジってどんな魚なの?超高級魚の特徴や釣り方&食べ方特集!
魚のアップ写真

出典:魚図鑑

キチジを釣るのにおすすめのタックルを選んでみた!

キチジを中深海ジギングで釣るのに向いている、おすすめのスロージギングタックルをご紹介しましょう。

ロッドは、6ft台の長さを持つベイトロッドで、3番から4番程度のものなら、中深海でスロージギングを展開できます。

リールは、PEラインの1.5号を600mほど巻けるスプールを持ったベイトリールがいいでしょう。

キンキ=キチジってどんな魚なの?超高級魚の特徴や釣り方&食べ方特集!

ダイワ(DAIWA) スロージギングロッド キャタリナ SJ 60B-4 釣り竿

ダイワからリリースされている中深海ジギング用ロッド・キャタリナSJシリーズのラインナップから、60B-4を選んでみました。

全長は1.83mなので、取り回ししやすい長さのブランクスに設計されています。

1ピース仕様ですから、仕舞寸法も同寸です。

ウエイトは115gと軽めで、ブランクスの先径/元径は、2.1/8.9mmです。

適合するメタルジグウエイトは、200gから330gまで。

適合するラインは、PEラインなら1.0号から3.0号までとなっています。

ブランクスのカーボン素材含有率は、99.0%に設計されています。

実際に手に取ってみると、とても軽くてシャープな張りの備わったブランクスだと感じました。

負荷に対する曲がりが、とてもスムーズなので、魚のバイトを弾いてしまう展開にはなりにくいでしょう。

実売価格は2万円台と、とてもコスパ優秀な価格帯に収まっています。

中深海ジギングは、専用の乗合船を探すところからスタートです。

経験値の高い船長さんからのアドバイスを頼りに、初めてのキチジを手にしてみましょう。

魚の単体サイズは小さいですが、数釣りになるので大量の魚をゲットすることになるはずです。

全てを持ち帰るつもりなら、大型でよく冷えるクーラーボックスも持参しておきたいところです。

青物が丸々収納できるタイプのものが、ちょうどいいかもしれません。

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ダイワ(DAIWA) ベイトリール 19 キャタリナ 15H(2019モデル)

ダイワから発売されているオフショアジギングゲーム用ベイトリール・キャタリナシリーズのラインナップから、15Hを選んでみました。

同シリーズにスロージギング用のSJモデルが用意されているので、そちらのスペックを掲載しておきます。

ギア比は6.4対1ですから、ハンドル1回転につき99cmものラインを巻き取ることができるように作られています。

ウエイトは485gで、最大ドラグ力は8kg。

ラインキャパは、PEラインなら1.5号を600m巻けます。

中深海のレンジをきっちり探りたいなら、これぐらいのラインストック量は必要になるでしょう。

ボールベアリングは、4個搭載されています。

ハンドルの長さは、85mmから95mmに可変OKです。

実際に手に取ってみると、カチッとした剛性の備わったボディフレームだと感じました。

中深海におけるスローなワンピッチジャークをおこなうのに、最適なバランス・仕様を持っています。

メカニカルブレーキは操作しやすく作られていて、潮の流れにも瞬時に対応可能です。

スプール交換も楽におこなえるので、もし高切れしてもすぐに交換して、メタルジグを投入できるでしょう。

実売価格は2万円台と、とても購入しやすい価格帯に収まっています。

アルミ製のハンドルは、操作性が高く、深海から魚を引き上げるのを楽にこなせます。

キチジを釣り上げて美味しく食べよう!

キチジの特徴や習性・釣り方・食べ方や、おすすめのスロージギングタックルをご紹介しましたが、いかがでしたか?

絶品の味を堪能するためにも、中深海のスロージギングをマスターしましょう。

足しげく専用の乗合船に乗船すれば、スキルアップしていくはずです。

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