レビュー

豊かで便利な社会となった現代において、食べ物に困ることはほとんどなくなった。食事の意味合いも変わってきており、おなかがすいたから食事をするのではなく、人と会うから食事をする、美味しいから食事をする、ということが多くなっているはずだ。

あまり食欲もないけれど、食事の時間になったから仕方なく食べる、ということもあるだろう。
本書を一読すると、普段から当たり前のように習慣化している一日3食が、じつは食べ過ぎだという衝撃の事実に驚かされる。この豊かな社会においては、当たり前の生活をしているだけで、知らず知らずのうちに体にダメージを与えている可能性があるというのだ。私たちの体は、ひっきりなしに送り込まれる食べ物の処理が追い付かず、悲鳴を上げているのかもしれない。
本来、食事は空腹を満たし、生命活動を維持するために摂るものだ。本書では、空腹の時間を作るための方法についても、詳しく解説されている。
睡眠時間を上手に使えば、空腹の時間を作ることも、そう難しくないことがわかるはずだ。
そう、わざわざ空腹の時間を作らなければならないほどに、私たちの身の回りには食べ物で溢れている。私たちが享受している豊かな生活は、いつのまにか至るところにひずみを生みだしているのかもしれない。「質素倹約」という昔からの教えの重要性に気づかされる一冊である。

本書の要点

・一日3食はそれだけで食べ過ぎの可能性があり、さまざまな体調不良を引き起こす。16時間の空腹時間を作るだけでも、健康や若さを維持することにつながる。


・空腹は睡眠時間の前後に、何も食べない時間を作ることで、無理なく始めることができる。日本の国民病ともいえる糖尿病にも、空腹は効果がある。
・空腹力を鍛えることは、がん予防やアレルギー対策、アンチエイジングにつながる。



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