レビュー

新型コロナウイルスが世界を覆い、私たちの仕事のやり方は大きく変わった。中でもミーティングの変化はかなり大きい。

感染拡大以前、ミーティングは対面が主流だったが、今はオンラインミーティングが当たり前となった。
そのおかげでスケジュール調整が楽になった面もある。しかし「対話」に焦点を当ててみると、以前より難しくなったように感じる。
本書のテーマは「対話」だ。話し方のプロである著者が、「共感力が高まる3つの方法」「相互理解を深める話し方・伝え方」「相手の満足を引き出す意見の通し方」の3つの章を通じ、対話の極意を伝えている。
例えば、対話で大切な共感を生むには、雑談から入るといい。
対話の最初に季節の話や五感に響く雑談を入れることで打ち解けやすくなるからだ。また、一度に長く話すよりも、1分間程度の短い雑談を何度もする方が好印象を持たれやすい。うなずきは対話で最も大事なアクションだが、きちんとできている人は少ない。特にリモートではアクションを大きくしないと伝わらない――。こうした対話力のコツが満載だ。
リモートワークが増えたことで雑談が激減し、課題を感じている会社が多いと聞く。
しかし、リモートでも雑談は可能だろう。リアルとリモートの両方、ハイブリッドな対話力が大事だということを、本書は教えてくれる。

本書の要点

・名経営者などは、人に教えてもらうことに躊躇しない。一歩引いて傾聴し、オーバーなくらい驚き、感謝を伝えることに長けている。
・相手の話を丸暗記するくらいの気持ちで聴く姿勢は相手に伝わる。重要な単語や話の骨格を3つ記憶するようにすれば、次回に話が弾む。


・対話はLIVEであり、常に話し手と聞き手が入れ替わる。相手の承認欲求や優越感を刺激し、本音を引き出すことも大事だ。
・上手に意見を通す人の共通点は、相手が自ら手助けしたくなるような、困っている信号を出すのがうまい。



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