レビュー
「課長の椅子」と聞いたとき、その椅子は輝いているだろうか。
1980年代までとそれ以降で「課長」の役割は大きく変化したと本書は述べる。
本書ではマネジャーの教育者としての役割に注目し、大人が職場で学び続けるためにはどうすればいいかを論じる。人材育成は必ずしも一方向的な情報伝達ではない。実は教える側の立場であるマネジャーも成長のチャンスに満ちているのだと著者らは主張する。
本書は50代と30代という世代と、経営学と教育学という専門の異なる2人の著者の共著である。
本書の要点
・現在の組織におけるマネジャーは、業績を上げつつ人が育つ環境を整備することも期待されており、その仕事は限りなく広がっている。
・マネジャーには部下への教育者という役割が織り込まれているが、それは先生のように何かを教えることではない。
・職場での学び合いに必要なのは対話である。他者との対話を通じて新たな視点を得る協調学習が成立する。マネジャーの役割は、部下たちが互いに学び合う対話ができる環境をデザインし、自らも学び続けることだ。
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