レビュー

年齢を重ねるにつれ、一年があまりにも速く過ぎ去っていくことに驚かされる。こうしてただぼんやりと日常生活を送っているうちにさらに年齢を重ね、過ぎた日々を恋しく思うことになるのだろうか……。

本書は漠然とそんな思いを抱えている読者をドキッとさせる一冊だ。
著者の柿内尚文氏は書籍編集・コンテンツマーケティングのプロフェッショナルとして知られ、手がけた書籍のうち、10万部を超えるベストセラーは55冊以上に及ぶ。著書『パン屋ではおにぎりを売れ』で思考法を、『バナナの魅力を100文字で伝えてください』で伝え方を学んだという人も多いだろう。
3作目となる本書のテーマは「時間の法則」。人生のあらゆる時間は「幸福の時間」「投資の時間」「役割の時間」「浪費の時間」の4つに分けられるとしたうえで、「幸福の時間」を増やすとともに、「今ここ」にある時間の価値を上げるための考え方やノウハウを示している。
タイトルにある「このプリン、いま食べるか? ガマンするか?」は、「いま食べる」→「幸福の時間」を優先する、「(ダイエット成功のために)ガマンする」→「投資の時間」を優先する、の考え方をキャッチーに表現したものだ。
一見、「投資の時間」を優先するのが「正解」だと思いそうだが、場合によっては自分に「幸福の時間」を与えたほうがいいこともあるという。
本書は、何気なく過ごしていた時間の大切さを再認識し、これからの人生を考えるきっかけをくれるだろう。もっと幸せで満ち足りた人生を送りたいと願うすべての人に読んでほしい。

本書の要点

・すべての時間は「幸福の時間」「投資の時間」「役割の時間」「浪費の時間」の4つに分けられる。
・人生で一番大切にすべきは「幸福の時間」を増やすことだ。工夫すれば、「やらなければいけないこと」に費やす時間を「幸福の時間」に変換することもできる。


・時間を自分のものにするには、「自分ベース化」「プロローグ化」「エピローグ化」「『強観察力』を身につける」の4つの技術が有効だ。



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