今期大いに話題となったドラマ「不適切にもほどがある!」(TBS系)の最終回(第10回)が3月29日に放送され、ネット上では、「ふてほどロス」の声が止まらない。最終回は、主人公の小川市郎(阿部サダヲ)が、停職中で落ち込んでいた犬島渚(仲里依紗)をラスト一往復のタイムマシンで1986年の世界に連れて帰り、小川純子(河合優実)と再会。

元気を取り戻して、向坂キヨシ(坂元愛登)とともに2024年に戻るという展開。元「男闘呼組」の成田昭次のサプライズ出演や「寛容になりましょう♪」のミュージカル展開など、最後まで魅了した。


 ラストは喫茶店「SCANDAL」のトイレの穴から、2054年の世界から井上(小野武彦)が現れ、自由にタイムトラベルができるようになったことを小川に伝え、そこに小川が入っていくところで終わる。さらに名物となっていたテロップで、「この作品は不適切な台詞が多く含まれますが、時代による言語表現や文化・風俗の変遷を描く本ドラマの特性に鑑み、2024年当時の表現をあえて使用して放送しました」と表示。


 X(旧ツイッター)上では、〈洒落っ気とメッセージの高さ。さすがクドカン!〉などと称賛の声が相次ぎ、「最後のテロップ」がトレンド入りした。


■クドカンの面目躍如


 TBS関係者はこう話す。


「かなり話題になったドラマですが、業界関係者の視聴率はすごく高くて、局内でもたびたび話題になっていました。含みを持たせたあのラストは、間違いなく続編やスピンオフ企画が想定されていると思います」


 TVコラムニストの桧山珠美氏も、「まさにクドカンの面目躍如でしょう」としてこう続ける。


「ドラマで“○○ロス”と言われるようになったのは、彼の『あまちゃん』の“あまロス”あたりからだと思うのですが、今回も見事に“ふてほどロス”が発生しましたね。中高年にはうれしい小ネタ満載でしたが、単なる『昭和懐古』で終わらせず、阪神・淡路大震災や親子関係、そしてハラスメントの問題など、本当にいろいろな要素が入っていて、上手にまとめられていました」


 桧山氏が続ける。


「どの世代が見ても面白いものになっていたと思います。

世代や性別など、いろんな人の思いをうまく可視化していて、息苦しい昭和も令和も笑い飛ばすという作品でした」


 スピンオフや続編に期待する声はますます高まりそうである。