参院選公示が有力視される7月3日まで1カ月。自民党が迷走している。

与党であるにもかかわらず、大阪選挙区(改選数4)の候補を決められないままズルズルし、スッタモンダで「緊急公募」を実施中。募集期間は今月4日までの1週間で、党本部主導で10日ごろまでに選定するというが、雲行きは怪しい。スンナリといくかどうか。


 こじれた原因は大阪府連の内輪モメだ。


■ストレス障害で不出馬


 6年前に比例代表から大阪へ移った現職の太田房江議員は3選に意欲満々だったものの、太田嫌悪が蔓延する府連は事実上拒否。府連会長の青山繁晴参院議員が新人の擁立模索を発表した翌日、石破首相ら執行部が「現職優先」を理由に太田公認を内定するなど、泥仕合の様相だった。そこへ太田氏の選挙買収疑惑が浮上。太田氏は否定したものの「大きく体調を崩し」「ストレス障害との診断を受けました」として先月末、不出馬を決めた。怒涛の2週間だった。


 この展開に府連はニンマリではあるが、「有力候補が複数いる」(中堅議員)というから、もうひと悶着ありそうだ。


「青山氏が『20年来の知友』『国の組織で将来を嘱望されている』と推す人物は、防大出身で佐官クラスのエリート自衛官。ゴリゴリ保守の青山氏とウマが合うのでしょう。

一方、柳本顕前衆院議員の名前も浮上している。大阪市議出身で世襲の柳本氏は、2015年と19年の大阪府市ダブル選をめぐり、維新の会への対抗馬として市長選に担がれたものの惨敗。19年夏の参院選(大阪選挙区)に出ようとしましたが党本部に難色を示され、ゴタゴタの末、21年秋の衆院選の比例単独(近畿ブロック)で処遇されて初当選。それが府連で波紋を広げ、昨秋の総選挙は出馬できず、浪人中です」(前出の議員)


■維新を離党した女性議員が公募エントリー?


 青山推しのエリート新人と地元密着型の選挙弱者。微妙な顔ぶれだ。波乱要因はまだある。


「日本維新の会を4月に離党した地元の梅村みずほ参院議員が公募にエントリーすると取り沙汰され、府連内がザワついています。1期生なのに維新代表選に手を挙げるじゃじゃ馬ですからねえ」(府連関係者)


 梅村氏は6年前の選挙に初出馬し、トップ当選。にもかかわらず、党内予備選で新人に敗れ、再選の道を断たれたも同然の立場だ。イチかバチか勝負に出るのか──国会と地元の梅村事務所に複数回連絡したが、不在続きだった。


 大阪は公明党の現職を除き、新人が乱立。いずれにせよ、きっつい夏になりそうだ。


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 太田房江参院議員の「買収疑惑」については、関連記事【もっと読む】『自民にまた「政治とカネ」問題!太田房江氏に選挙買収疑惑、参院選公認めぐり大阪でグチャグチャ泥仕合』で詳しく報じている。


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