まさかの敗北だ。


 コメ対策で連日、テレビに登場し、イケイケの小泉進次郎農相。

お膝元の神奈川・三浦市の市長選が15日に投開票されたのだが、6選を目指した無所属現職の吉田英男氏(69=自民推薦)があえなく落選した。公明党横須賀支部の支持も得ていたが、無所属新人の元会社員、出口嘉一氏(43)に敗れた。


「知名度で圧倒する吉田さんが盤石、との見方があったがひっくり返った。多選批判に加え、出口さんの巧みなSNS戦略も奏功したとみられている。投票率は44%で、選挙戦になった2017年を5ポイントも上回ったことも大きい」(地元関係者)


 いずれにせよ、ベテラン現職が新人に負けるなど異例中の異例で、県連会長でもある進次郎氏は責任を問われかねない立場。本人は選挙戦初日と最終日、吉田陣営のインスタグラムに応援動画を送ったが“客寄せパンダ”としての役割を発揮し切れず、完全にミソをつけた格好だ。


 この結果に、目下、選挙期間中の東京都議選で戦う自民党関係者からは不安の声が上がっている。


「進次郎さんが応援に入るのは選挙戦最終盤とみられている。基本的に、みんな来てほしいと思っていますが、一抹の不安はありますね」(自民党関係者)


 不安とは、地元市長選でしくじった進次郎氏が挽回のために、調子に乗って失言しかねない──、ということだそうだ。


「進次郎さんは将来的に総理総裁を狙っていますから、できる限り失点を減らしたい。三浦市長選の敗北ダメージを払拭するため、気合を入れすぎて、余計なことを言ってしまわないか怖いところですね」(同前)



「緩みきった選挙戦ほど怖いものはない」

 他にも不安要素はある。大手メディア各社が先週末に実施した都議選の情勢調査によると、投票先トップはいずれも自民党だった。

「自民が第1党をうかがう」などと報じられたことが、陣営にとってマイナスになりかねないという。


 自民党都連関係者が言う。


「こういう報道があると、陣営から緊張感が失われ、活動がおろそかになりかねません。緩み切った選挙戦終盤ほど怖いものはありませんよ。特に、投開票日の3日前の木曜日あたりは疲れと緩みが出て、誰かがポカをやらかす危険性が高まるもの。進次郎さんが来てくれるのはありがたいですけど、失言だけは勘弁してもらいたいものです」


 自民党が大敗を喫した17年都議選では、選挙戦後半に差しかかったところで当時の稲田朋美防衛相が「自衛隊としてお願い」と支持を呼びかけ、「自衛隊の政治利用」と猛批判を浴びた。投開票前日には、安倍首相が街頭演説でヤジを飛ばす聴衆を指さして「こんな人たちに私たちは負けるわけにいかない」と言い放ち、大炎上したのだった。


 ただでさえ意味不明な「進次郎構文」が事あるごとに話題になっている。進次郎氏の応援入りは“諸刃の剣”。下手すれば逆効果にもなりかねない。


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 選挙戦はさながら「コメ将軍vs水の女帝」の図式に。玉木雄一郎衆院議員が率いる国民民主党は、初の議席獲得を狙い、18人を擁立したが果たして。

●関連記事【もっと読む】『6.22都議選どうなる? 第1党争いは都ファ「水の女帝」vs自民「コメ将軍」の様相、玉木国民には大逆風』で詳報している。


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