かつての勢いは、すっかり剥げ落ちた。参院選の前哨戦となる東京都議選は22日、いよいよ投開票。
ホンの数カ月前まで、飛ぶ鳥を落とす勢いだったのが国民民主だ。どの世論調査でも政党支持率は「野党第1党」をキープ。3月には自民党に数ポイント差まで迫る結果もあった。都議選も議席ゼロからの大躍進が予想され、玉木代表も「条例提出権のある11議席」を目標に掲げていた。
しかし「驕れるもの久しからず」。参院選への山尾志桜里元衆院議員の擁立と一転見送りのドタバタ劇で、党勢はガタ落ち。ガバナンス不全の山尾ショックが都議選にも響き、目下は大逆風だ。
公認候補18人を立てたが、現状、当落線上にあるのは全て定数4以上の江東区、江戸川区、町田市など片手に余るほど。いずれも最下位当選がやっとである。
国民民主関係者は「こんなはずじゃなかった」と頭を抱え、「もう1つでもスキャンダルが出たら、参院選もアウトだ」とビクビクしている。
■「再生の道」は議席ゼロもあり得る
石丸伸二氏が1月に立ち上げた「再生の道」は、オーディションにより大量42人を擁立したものの、今や存在感ナシ。獲得議席ゼロもあり得る状況だ。
「石丸氏が『年収800万円以上のハイクラス人材が集まった』と胸を張った通り、候補者のタマは決して悪くない。でも、いかんせん選挙はズブの素人で公認決定後、石丸氏はほぼ彼らに丸投げ。各候補は選挙のノウハウを教えてもらえず、皆が皆、困惑していた。候補同士で『どうしたらいいの』と相談し合ったり、取材記者に選挙戦のアドバイスを求めたり。涙ぐましい努力は悲哀に満ちていた」(都政関係者)
石丸氏の結党目的は「国民に広く政治参加を促すこと」。朝日新聞のインタビューでは「候補者選考に1128人がエントリーした時点でほぼ達成できた」と満足げだった。ゼロ議席に終わっても「事実上勝った」と強がりを言い出しかねない。
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落ち目の国民民主党は参院選後、連立与党入りするともっぱらだ。