これで二階王国は万事休すか。


 自民党の鶴保庸介参院議員(和歌山選出)が8日、参院選和歌山選挙区の応援演説で「運のいいことに能登で地震があった」などと発言し、大炎上。

ただでさえ苦戦している自民公認の二階伸康候補は、一気に赤信号がともっている。


 和歌山選挙区は今回も保守分裂だ。昨秋の衆院選和歌山2区では、二階俊博元幹事長の地盤を受け継いだ三男・伸康氏と、裏金問題で離党勧告を受けて無所属で立候補した世耕弘成前参院幹事長との事実上の一騎打ちとなり、伸康氏が大敗。比例復活も許されなかった。


 敗れた伸康氏は捲土重来を期し、自民党公認で参院選に出馬。しかし、世耕氏に近い望月良男元有田市長も無所属で立候補し、保守同士の戦いとなっている。


 県連関係者は「世耕が糸を引いているのは明らかだ」とカンカンだ。二階vs世耕ガチンコ対決の再戦となった。


 そのさなかでの敵失に、世耕氏は大ハシャギだ。8日に自身のSNSを更新し、鶴保氏の発言を取り上げ「これは酷い。あまりにも酷い」と批判している。



選挙区では世耕弘成氏が暗躍

 もはや世耕氏は、公然と望月氏をバックアップしている。


 望月事務所には「祈必勝」と書かれた世耕氏の為書きが貼られ、選挙区内の掲示板には世耕氏と望月氏のポスターが並んで張られている。世耕事務所関係者が選挙運動を手伝っているほか、街頭演説会場にも駆けつけているくらいだ。


「望月さんは立候補するかだいぶ悩んだようですが、世耕さんを中心に出馬を強く推され決心したようです。世耕さんとしても、俊博さんに長年押さえつけられてきた恨みもあるのでしょう。ここで二階ジュニアを叩きつぶし、県内から二階さんの影響力を一掃するつもりのようです」(地元政界関係者)


 参院議員時代に県内全域に浸透していた世耕氏の影響力に後押しされ、当初は劣勢とされていた望月氏はここにきて猛追。一方の伸康氏は、世襲批判の声も集まり伸び悩んでいる。


「接戦が予想されていましたが、鶴保さんの失言の影響は凄まじい。今回はさすがに望月さんで決まりでしょう」(前出の地元政界関係者)


 自民は鶴保氏の失言が他選挙区にまで飛び火すれば、被災地・石川県や、福島県選挙区も危うくなるだろう。


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 二階俊博vs世耕弘成のドロドロ暗闘については、関連記事【もっと読む】でも詳しく報じている。


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