出張先で急逝した、芸能事務所「ケイダッシュ」の川村龍夫会長の通夜が5日、護国寺(東京・文京区)で執り行われた。享年84。
川村氏は出張先の京都で7月30日、ホテルのチェックアウト時間を過ぎても退室しないことからスタッフが確認したところ息を引き取っていたという。
ケイダッシュは1993年に田辺エージェンシーから暖簾分けし、堺正章(78)をはじめ、高橋克典(60)、大鶴義丹(57)らを輩出。グループ会社にはCanCamモデルのエビちゃんやもえちゃんで一世を風靡した「パール」、オードリーや原口あきまさ(49)などお笑い芸人の「ケイダッシュステージ」、日本ハムの新庄剛志監督(53)などスポーツ文化人系の「アワーソングス クリエイティブ」などがあり、マネジメント分野は多岐にわたっていた。
堺は亡くなる1週間前に川村氏と遭遇、レストランで偶然会ったそうで「おー堺! って声をかけられたのが耳についている」と語り、「器の大きい人間で夢を見せてくれる、思い込みの強い男。無から有を生む才に長けた人。もっと新しい人間を輝かせて欲しかった」と語った。
田辺エージェンシーとバーニング、ケイダッシュが3本柱
俳優の渡辺謙(65)もアメリカ進出を後押ししてもらったこともあり「本当に僕の危機的な状況を救っていただいて、今こうやって仕事ができているのは川村さんのおかげです」とコメント。芸能リポーターの川内天子氏がこう言う。
「田辺エージェンシーの田邊昭知さん、バーニングプロダクションの周防郁雄さん、ケイダッシュの川村さんは日本の芸能界の3本柱。事務所に所属しなくとも、相談ごとを解決してもらったりお世話になった人が多い。近年、田辺さん、周防さんが引退し、現役が川村を頼りにしていた人は多かった。芸能界のドンがいなくなったことは大きな損失ですが、これを機に新たな芸能界が構築されるでしょう」
通夜には、タモリ(79)、和田アキ子(75)、浅田美代子(69)、田原俊彦(64)、小林幸子(71)、ヒロミ(60)、片岡愛之助(53)と藤原紀香(54)夫妻、コロッケ(65)、石原良純(63)、佐藤浩市(64)、そして清原和博(57)、秋元康(67)、タイタンの太田光代(61)、野田義治(79)などなど、多くのタレントや業界関係者が弔問に訪れた。
昭和の芸能界の功労者がまた一人、鬼籍に入った。
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川村会長の死去で気になるのが、今後の芸能界の勢力図だ。関連記事【もっと読む】ドンが次々に退く“昭和の芸能界”の終焉…権力集中、ムラ社会化したいびつな世界だった…では、今後起こる“地殻変動”の可能性について伝えている。