【芋澤貞雄「裏の裏まで徹底取材」】


 SMILE-UP.の代表取締役・藤島ジュリー景子氏(59)が半生を語った「ラストインタビュー 藤島ジュリー景子との47時間」(新潮社)が発売されて3週間になる。


 “女帝”の独占告白にもかかわらず、あまり話題にならないのは、ポジショントークが目立つからではないか。

例えば、2022年10月末にジャニーズ事務所を退所した元副社長の滝沢秀明氏(43)が、理由も説明もなく「いきなり内容証明が届いた」という辞め方をしていたという“告発”だ。


 これまで滝沢氏の退所に関しては、弁護士を通じて本人から事前に申し出があり、ジャニーズ事務所と滝沢氏の代理人による話し合いの末、滝沢氏の意向を尊重する形で事務所の役員会も了承した、と芸能関係者たちの間では認識されてきた。ところが、あのタッキーが“裏切る”格好で勝手に事務所を飛び出したというのだから驚く。


「藤島氏の現場復帰も囁かれているこのタイミングでの“裏切り”の暴露は、滝沢氏の行為によほど腹に据えかねていたという事でしょう。彼女が表沙汰にしなければ、滝沢氏は半ば永久的に“円満退所”と思われていたわけですからね」(芸能プロダクション関係者)


 藤島氏と滝沢氏の関係については、業界内には諸説あるものの、筆者は“水と油”という捉え方で見てきた。その根拠の一つが、2019年9月にスタートした藤島氏による新体制後のジャニーズ事務所の役員会で、故ジャニー喜多川氏の指導方針の継承を強く主張する滝沢氏に対し、「それはあなたとジャニー、2人だけで決めたルールでしょ?」と、藤島氏が取り合おうとしなかったと伝えられている話だ。ジャニー喜多川氏の遺志を受け継ごうとする滝沢氏と、「社長は私!」と向こうを張る藤島氏との確執が約3年間に渡り続いたことがうかがえる。


「もっとも、藤島氏に今回の告白をさせたモヤモヤした感情は、3年前の“裏切り”だけではないでしょう。性加害問題でひとつの区切りが付いたSTARTO ENTERTAINМENTですが、今その稼ぎ頭となっているSnow Мan、SixTONESは、いわゆる“滝沢案件”と呼ばれる、滝沢氏が精魂込めて作り上げたアイドルばかりですからね。藤島氏が社長として手掛けたアイドルは、ジャニー喜多川氏と滝沢氏には勝てないというジレンマみたいな感情が、今回の告白を引き起こしたのでは…」(別の芸能プロ関係者)


滝沢氏への怒りとともに、彼の才能への嫉妬、コンプレックスが見え隠れする…と、この関係者は口にするのである。



イノッチには荷が重すぎたジャニーズJr.の育成係

 滝沢氏の退所後、ジャニーズJr.のプロデュースと新人の発掘・育成は「ジャニーズアイランド」(現Annex)の新社長に就任した井ノ原快彦(49)に任されたことについて、芸能関係者の間では「イノッチに務まるのか?」という声が囁かれてきた。


 次世代を見越した新アイドルをプロデュースできなければ、事務所の存続にも関わってくるわけで、ジャニー喜多川氏のアイドル育成術を継承した天才肌の滝沢に代わり、井ノ原にそんな大役が務まるのか、井ノ原が滝沢と同等の、もしくはそれ以上の千里眼を持ち合わせているのかを心配する声が出ていた。


 そして実際、性加害騒動のゴタゴタもあり、井ノ原は2024年3月末に辞任し、会社自体も閉鎖に向けた事務処理が行われる。新人発掘と育成はSTARTO社に引き継がれた。


「井ノ原が社長に就任して以来、“原石を発掘した!”なんて話は聞こえてきません。“10年後にSTARTOは消滅しているんじゃ”なんて、悪い冗談を口にする現場マネジャーもいます」(芸能関係者)


 今回のイチャモンみたいな告発で藤島氏の焦燥が浮き彫りになった。STARTO社と共に大きな曲がり角を迎えているようだ。


(芋澤貞雄/芸能ジャーナリスト)


  ◇  ◇  ◇


 発売前は大きな話題になったが、もはや藤島ジュリー氏の言いっぱなしのナゾ本扱いされている半生本。元フライデー大物編集長の「ありえない」と思ったところとは…【関連写真】もあわせて読みたい。


編集部おすすめ