最近急成長しているサービスでトラブルが発覚した。問題が明らかになったのが、電子雑誌等で知られる上場企業「ブランジスタ」の子会社「ブランジスタエール」が運営するプロモーションツール「アクセルジャパン」。

同サービスは契約している芸能プロダクションの所属タレントやフリーのタレントの写真や動画などの素材を、参画企業が定額で自社広告などに運用できるという画期的な事業だ。 


 通常、広告に有名タレントや俳優などを起用すると数百万円から数千万円程度かかるところ、月額数十万円から利用できることから、中小企業などから引き合いが旺盛だという。アクセルジャパンのHPには素材が利用できるタレントとして、小池徹平(39)、ヒロミ(60)、名倉潤(56)、板野友美(34)、篠田麻里子(39)、上地雄輔(46)、鈴木杏樹(55)、岡田結実(25)、藤森慎吾(42)、赤星憲広(49)、ぺこぱ、松嶋尚美(53)、長嶋一茂(59)、松村沙友理(32)、三浦翔平(37)、さらば青春の光と、錚々たる顔ぶれが名を連ねている。


 だが、同サービスを利用している参画企業が悪徳業者だったと、ネットメディアなどで報じられたのだ。


「同サービスの参画企業は建築、不動産、卸小売、人材、自動車、広告、美容医療、介護福祉、省庁・自治体と多岐にわたります。今回トラブルが発覚したのが、水回りのトラブル関連事業を運営しているベアーズホームという神戸の会社です(すでに契約解除済み)。同社は低額な料金でサービスを利用できると表示していたものの、実際のところ法外な金額を請求していたと消費者庁に指摘されています。同社は昨年12月にアクセルジャパンと契約して、タレントのヒロミを広告塔に利用していたのです」(週刊誌記者)


 ヒロミといえば、日曜大工を得意とし、日本テレビ系「有吉ゼミ」で自らがDIYを行う「八王子リホーム」が人気を博しているだけに、水回りのトラブル解決と親和性は高い。しかし、ヒロミ側は自身の素材を使われただけで、今回のトラブルに関して一切関知していなかったという。


■審査段階で見落とされた可能性


 消費経済アナリストの渡辺広明氏はこう話す。


「タレント側も利用企業側もリスクを甘く見ていた点は否めません。当然、契約の際に反社チェックなどはしていたと思いますが、審査段階で違法行為を行っている悪徳業者であることまでは判明しなかったのでしょう。

一方、利用する企業側にもリスクが付きまといます。もし、不祥事やトラブルを起こしたタレントを起用していた場合のデメリットなどですが、そのあたりは当然、契約の際に注意事項として記載されているはずです。今後はより審査や考査を厳しくしないとビジネスとして成立しづらくなるでしょう」


 お年寄りなどを狙ったリフォームやリノベなど、零細業者の詐欺トラブルなどが後を絶たない状況だ。現在、同サービスは金融機関から企業の紹介を受けるなど新規顧客を拡大中で、広告素材になるタレントも拡張中とのこと。


「今どきは芸能人を起用したから広告効果が上がるという時代ではなく、消費者側もこうした広告を見れば、こうしたサブスクサービスを利用したものだと、ひと目で理解すると思います」(渡辺広明氏)


 今後、タレントと利用企業双方のリスクマネジメントをしっかりした上で、顧客の事業に合致したタレントをいかに広告に利用できるかがこのビジネスの肝だと渡辺氏は話す。


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 好感度タレントだけにヒロミにとっても打撃は小さくないだろう。関連記事【もっと読む】ヒロミ「3度目のブレーク」に3つの理由 スッキリ後番組MC候補にも浮上で独り勝ち?…では、ヒロミが再び人気を取り戻した理由について考察している。


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