自民党内で「石破おろし」をめぐる攻防が繰り広げられる中、何かと注目を集めるのが「ポスト石破」の呼び声高い小泉進次郎農相だ。総裁選実施の是非について、31日は報道陣に「一議員としてよく考えて、(9月2日に公表される参院選の)総括もしっかり見た上で対応は考えたい」と通り一遍に応じた一方、「進次郎構文」を炸裂させた。

期待を裏切らない男だが、国の舵取りを任せるには不安いっぱいだ。


 一挙一動に注目が集まる中、進次郎氏は31日のNHK「日曜討論」に生出演。「小泉農相に問う 新米価格は コメ政策は」という大真面目なテーマなのに、笑いを誘うやりとりばかりだった。


 5月に緊急登板した進次郎氏は、備蓄米の売り渡しを競争入札から随意契約に切り替え。新米価格への懸念から放出分の販売期限を8月末としたが、10万トンほどが未出荷だったため「引き渡しから1カ月以内」に延長した。


 司会からその理由を問われた進次郎氏は、「われわれ、お届けしますというふうに約束をした。約束を果たすためには、販売延長という形で届けきるということをまずやらなければいけない」と説明。これはまだ分かる。が、引き渡しが遅れた理由はナゾに包まれていた。


「現場の皆さんには最大限の努力をいただいています」と前置きし、「ただこれ、政府として日本の国家として、ここまで備蓄米を流すということは初めてのことなので、今回の教訓は次につなげなきゃいけないと思います」と論点ずらし。そして自分で「更問い」だ。


「なぜここまで時間がかかるのか。

備蓄米放出が真の国家存立の危機が危ぶまれるような時の放出ではないかもしれませんが、仮に日本の中で安全保障上の危機が訪れた時に国民の皆さんが飢えないように一日も早く備蓄米を届けていくということを初めてやるとしたら、ここまで時間がかかっていたのか、というのは私は想像するだけで恐ろしい気持ちになります」


 もっともだ。「教訓につなげていくということですね」と司会に引き取られていた。米価高騰をめぐる消費者の不安に対しては「最終的に日本経済を強くする」とのこと。


「『ポスト石破』を意識してか成果を焦るきらいがある。訪韓中に外相との会談は異例だと持ち上げられましたが、李在明大統領の訪日目前という事情もあり、恥をかかせないよう助け舟を出されただけ。進次郎氏の本命は食品医薬品安全処のトップで、水産物輸出規制の早期撤廃をねじ込もうと猛アプローチしたものの、固辞されて困り果てていた」(外交事情通)


 オヤジさんが言ったように、「50歳過ぎてから」が正解なんじゃないか。


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