「裏金事件はもう終わった」とでも言いたげだ。7日、高市新総裁の下、自民党の新たな執行部が発足。
実際、高市氏の新総裁選出により、旧安倍派の裏金幹部は表舞台に戻れると色めき立っている。裏金1542万円の世耕前参院幹事長も、そのひとりである。
■現職町長にも報復?
世耕氏は2022年8月の還流再開の是非を問う協議にも参加。再開を止めなかった責任から、離党勧告処分を受け、昨年離党した。同年の衆院選では、和歌山2区から無所属で鞍替え出馬。二階元幹事長の三男で自民公認の伸康氏を下した。今夏の参院選でも、無所属の子飼い候補が伸康氏に勝利し、長年対立してきた県内二階派の勢いを着実にそいでいる。今回の総裁選でも、世耕氏は党籍がないのに、高市氏を支援。古巣・参院側の旧安倍派の票を取りまとめたとされる。
「高市総裁となり、自民復党の可能性は一段と高まりました。依然として二階派が強い自民党和歌山県連は、世耕さんの影響力拡大に警戒感を強めています」(和歌山県政担当記者)
当の世耕氏は、高市総裁誕生がよっぽどうれしいのか、最近はご機嫌の様子だという。
和歌山県連側は危機感を隠さない。
「二階さんが昨年に政界を引退してから、二階派の勢力が弱まり、人材不足が課題になっている。伸康さんの参院選出馬で空席となった和歌山2区の後任支部長もまだ決まっておらず、衆参で2連敗の伸康さんの再登板説が出るほど。最近では、来年2月の有田川町長選挙に、世耕さんが糸を引いているといわれる人物の立候補が取り沙汰されている。現職町長が伸康さんを応援したため、その報復ではないかとささやかれています。県連側もさすがに世耕さんを受け入れる姿勢を見せているが、世耕さんは完全無視。県連支配を目指す世耕さんの独自の揺さぶりはまだ続きそうです」(県連関係者)
紀州の混乱は収まる気配がない。
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高市政権新総裁の元、人事が動き始めた。●関連記事【もっと読む】『高市早苗総裁はまだ首相じゃないのに閣僚人事?「内閣の要」官房長官に“激ヤバ”木原稔前防衛相のワケ』で詳報している。