米国とイランの停戦が何だかんだで3週間あまり続く中、吉報だ。戦闘終結に向けた新展開の兆しが見えてきた。


 トランプ大統領が「一方的な勝利宣言」をした場合、イランはどう反応するか──。米情報機関が政府高官の要請でこんな分析をしていると報じられた。


 米国とイスラエルによる対イラン軍事作戦は、開始から数えると10週目入りが目前。最高指導者ら要人を次々に殺害されたイランは一歩も引かず、取引の見通しは立たない。遠心力を高めるトランプ大統領が手じまいを急ぐのも無理からぬ展開だ。


■イランが命乞い?


 ロイター通信によると、トランプ大統領の支持率は34%で、第2次政権の最低記録を更新。一方、原油輸送の要衝ホルムズ海峡の二重封鎖でガソリン価格はうなぎ上り。全米自動車協会(AAA)が29日に公表したレギュラーガソリンの全米平均価格は1ガロン(約3.8リットル)当たり4.22ドル(約675円)に達し、交戦開始以降の最高値を塗り替えた。即時停戦の合意締結を求める回答が7割に上る世論調査もある。


 そんなこんなでトランプ大統領は28日に〈イランがたった今、国家が「崩壊状態」にあると伝えてきた〉などとSNSに投稿。〈彼らは指導体制をどうするか答えを見つけ出そうとする中で、速やかに「ホルムズ海峡の開放を行ってほしい」と求めている〉とも書き込んだ。イランが命乞いをしてきたと言わんばかりだ。


 トランプ大統領が「一方的な勝利宣言」で手を引く可能性をかねて指摘していた軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏はこう言う。


「イランの指導層を多数殺害した。高濃縮ウランにしても、空襲で地下深くに埋もれ、核開発能力の復旧には時間を要する。トランプ氏が戦闘終結にカジを切る口実はそろってはいる。ただ、問題は二重封鎖状態のホルムズ海峡をどうするか」


 イラン側は仲介国のパキスタンを通じ、ホルムズ海峡の封鎖解除と米国によるイラン港湾の海上封鎖終了を先に実現し、核問題については追って交渉する案を提示。トランプ大統領が難色を示したため、イラン側は数日以内に練り直した案を改めて提示する運びとされている。


「最新のイラン案では海峡の管理権を握ったままで、通航料徴収で財政を立て直す可能性がある。トランプ氏は容認できないでしょう。勝利宣言後も米軍のオマーン湾展開を継続し、イラン港湾封鎖で経済的圧力をかけ続けるのが現実的。戦闘は終わっても原油輸送は正常化せず、アジアや欧州にとって厳しい状況は変わりません」(黒井文太郎氏)


 11月の中間選挙までにカタはつくのか──。


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