燃やし尽くしたはずの「遺体の一部」が焼却炉内から見つかり、立件の決め手となった。


 北海道旭川市の鈴木由衣さん(33)が行方不明になり、「旭山動物園」の焼却炉内で焼かれた遺体が見つかった事件。

道警旭川東署は4月30日夜、夫で園職員の鈴木達也容疑者(33)を死体損壊容疑で逮捕した。


 由衣さんの姿が最後に確認されたのは、3月30日。鈴木容疑者は翌31日、遺体を動物園の焼却炉で焼いたとみられる。


 2人は6年前に結婚し、2人暮らしだった。


「由衣さんの姿をしばらく見ていなかった近所の住民が、鈴木に『どこに行ったの?』と聞いたら、『東京に行きました』としか言わず、親族にも居場所をきちんと説明できなかった。不審に思った親族が警察に行方不明届を出した」(捜査事情通)


 その後の調べで、鈴木容疑者は由衣さんを「残らないよう燃やし尽くしてやる」と脅し、身の危険を感じた由衣さんは親族に「夫から脅迫を受けていて怖い」と伝えていたことが判明。道警は4月23日、任意で事情聴取を行ったが、本人は平静を装い、何事もなかったかのように勤務していた。


「約70人の園職員に話を聞いたところ、鈴木は昼夜問わず、自由に焼却炉のある建物に出入りできる立場だった。自身の判断で焼却炉を使用できる職員は限られていた。当初、警察の調べに『妻と連絡が取れない』と関与を否定していたが、一転、『数時間にわたり燃やした』と殺害をほのめかした」(前出の捜査事情通)


 動物園用焼却炉は800度以上を保つことが義務付けられており、長時間焼き続ければ灰になって証拠を隠滅できるとでも思っていたのだろうか。


■夢をかなえて8年


 鈴木容疑者は子どもの頃から「飼育員」になるのが夢で、2016年から市職員として旭山動物園に勤務。2年後の18年、夢をかなえ、アザラシや両生類、爬虫類の飼育を任された。


「普段は口数があまり多くないのですが、動物の話になると、熱く語り出します。仕事バカというか、とにかく研究熱心で、動物たちには愛情を持って接していた。楽しそうに仕事に打ち込んでいましたが、家庭の話はほとんど聞いたことがない。奥さんとはほとんど会話がなかったようで、いろいろ詮索されるのが嫌だったみたい」(知人)


 鈴木容疑者は来園者に対し、「地味といわれる生き物の存在に目を向ける」というタイトルで〈野生では、キリンとホロホロチョウなど多様な生き物が共生しており、お互い大切な存在です。かば館に展示されている「ゲテモノたち」は必見。同じ地球上に生きる命として関心を持ってほしいです〉とメッセージを送っていた。


 生命の尊さを説いていた飼育員が、なぜ妻をあやめたのか。


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