住民ニーズが極めて希薄にもかかわらず、日本維新の会の看板政策「大阪都構想」が再び動き出した。大阪市議会は27日、制度案を作る法定協議会の設置議案などを維新などの賛成多数で可決した。
維新代表の吉村洋文府知事は、2020年に2度目のノーを食らった当時は副代表。
「都構想再挑戦を僕がすることはありません」
こう言って白旗を揚げたのに、前言を翻したのは肝いりの大阪・関西万博の成功と連立政権入りだ。高市自民党に「副首都」構想の法制化を絶対条件として迫り、政権合意書に書き込ませた。3年前の統一地方選では都構想を争点としなかったことから、真冬の総選挙に合わせて知事・市長の出直し選を仕掛け、事実上の不戦勝。渋る維新市議団を半ば脅して法定協設置を急ぎ、来春の統一地方選に合わせた住民投票の実施に向けて猛チャージをかけているのだ。
法定協の初会合は6月中にも開かれる見込みだが、自民市議団は不参加を決定。公明党は府議会の議決後に対応を検討するという。
■「万博の閉幕で関連需要が一巡して移転後押し」
市を廃止して東京23区のような特別区に再編する都構想の実現で二重行政が解消され、住民サービスが充実する──。維新はかねてバラ色の未来を説くが、三度目の正直となるのか。二度あることは三度あるし、仏の顔も三度までとも言う。ノーモア都構想、ノーモア維新に拍車がかかるリスクもある。
東京商工リサーチ(TSR)が発表した本社機能移転状況調査(2025年度)によると、他の都道府県に移転した企業は前年度比6.1%増の1万7274社、3年連続で増加した。中でも大阪は転出超過数が急増。東京(1238社)の前年度比6.4%増に対し、大阪(476社)は実に1.8倍増と脱出の動きは飛びぬけている。
「全体として、賃料や人件費が高騰する都心部から周辺都市へ転出する動きが続いています。大阪に関しては、万博の閉幕で関連需要が一巡し、移転を後押しした可能性があります。国家事業の恩恵は建設事業にはじまって各方面に波及し、消費も盛り上がった。一方、都構想は実現可能性が不透明ですし、展望が見えない。企業が動き出すとすれば、住民投票が可決され、人口増などが可視化されてからになるのではないでしょうか」(TSR情報本部経済研究室の平島由貴氏)
どこを見ても期待値の低さがうかがわれる。
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